【7月23日付編集日記】高校野球福島大会

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 すぐれた文人は物事の本質を見抜く。俳句や短歌など近代日本の文芸に大きな影響を与えた正岡子規は、ある競技について随筆で「所作の活発にして生気あるはこの遊技の特色なり、観者をして覚えず喝采せしむること多し」と表現している

 ▼明治初期に伝わったベースボール、すなわち野球のことだ。子規は若き日に野球に熱中した。随筆では「球の行く処すなわち遊戯の中心なり」と、子規流の野球論を語り、観客にも「球を観るべし」とアドバイスしている

 ▼11日間にわたって熱戦が繰り広げられた全国高校野球選手権福島大会。勝利に向けて努力を積み重ねてきた球児らが、一つの白球を巡って懸命に投げ、打ち、守る。その姿は今夏も多くのドラマを生みだした

 ▼聖光学院と福島商で行われた決勝。記録的な猛暑のなか、両雄は持てる力を振り絞るような戦いで会場を沸かせた。甲子園の切符は試合巧者の聖光学院がつかんだが、福島商も最後まで闘志を燃やし続けた

 ▼8月5日に開幕する全国大会は、高校野球の歴史に刻まれる100回目の節目の大会だ。野球を愛する県内78チームの頂を極めた聖光学院には、活気あるプレーを披露し大舞台で喝采を浴びる姿を見せてほしい。