【7月29日付編集日記】いちご白書

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 かつて、米東部の名門コロンビア大学で歴史に残る学園紛争があった。大学が戦争に協力的で、かつ人種差別的だと批判した学生がキャンパスを占拠。これに対してニューヨーク市警の警官隊が突入して学生を排除した。今年はこの有名な事件から50年になる

 ▼大学学長は大学の運営についての学生の意見を「いちごの味が好きだと言うのと同じようなものだ」と評したという。この顛末(てんまつ)が、ノンフィクション作品「ストロベリー・ステートメント」となり、同名の映画になった。邦題は「いちご白書」

 ▼この映画を題材に松任谷由実さん(当時は荒井由実さん)が作詞・作曲したのが「『いちご白書』をもう一度」だ。世の中の矛盾や不条理をそっと包むような美しい歌はフォークソングの名曲となった

 ▼いま政治の世界では、内外を問わず、党派的な対立が激化している。反対派の意見には耳を傾けず、妥協を否定する。今月で閉会した国会でも、そんな場面が目立った。そうした雰囲気は1968年のアメリカでも同じだったという

 ▼この雰囲気をどうしたらいいのか。50年前を振り返れば、何か教訓がくみ取れるかもしれない。もう一度、「『いちご白書』をもう一度」を聴きたい。