【7月30日付編集日記】夏の天体ショー

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 仕事を終えて会社を出る。「ふぅ」と一息ついて夜空を仰ぎ見ると、そこには夏の大三角や、さそり座などの星々が瞬く。漆黒のキャンバスに、心がふと癒やされる

 ▼最近は、南東の空にひときわ明るい星が見える。火星だ。その真っ赤な輝きは、古くから人々の想像力をかき立ててきた。かつては「惑(けいこく)」と呼ばれ、文字通り人を惑わす星とされた。西南戦争のあった1877年には、火星の表面に自決した西郷隆盛の姿が見えるとうわさが立ったという

 ▼ことしは火星が15年ぶりに地球に大接近している。そのピークとなるのが31日だ。約5760万キロまで近づいてくる。明るさは太陽と月、金星に次ぐマイナス2.8等になる

 ▼この夏の天体ショーは火星ばかりではない。南西に木星、南に土星を見ることができ、惑星の競演が楽しめる。8月中旬のペルセウス座流星群も月明かりの影響が少なく流星を観察しやすい条件がそろう

 ▼福島市の浄土平天文台と田村市の星の村天文台は夜間公開に多くの人が訪れている。清少納言が「夏は夜、月のころはさらなり」と記したように夏の夜空は魅力的だ。夜風に吹かれながら大宇宙を見上げ、自分なりの物語をキャンバスに思い描いてみる。