【9月12日付社説】関東・東北水害/自然災害への備え強めたい

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 台風18号の影響による記録的な大雨は、本県を含め北関東から南東北にかけた広い地域に深刻な被害をもたらした。

 茨城県常総市で鬼怒川、宮城県大崎市で渋井川の堤防が決壊、濁流が市街地へとあふれ出した。

 家屋や車が流され、命を落とした人や行方が分からなくなった人がいる。冠水で孤立した建物の中で助けを待つ人もいる。栃木県でも犠牲者が出た。

 災害はまだ収束していない。自衛隊や海上保安庁、警察や消防などの懸命な救援活動を求めたい。

 避難所に身を寄せた住民も数多い。お年寄りや子どもたち、持病を抱える人たちが心配だ。生活を取り戻すまでには長い時間がかかるだろう。手厚い支援が必要だ。

 県内にも大きな爪痕を残した。11日現在、人命に関わる被害の報告はないが、全域で家屋や田畑の浸水被害や、土砂崩れが起きている。道路や橋も寸断された。

 市民生活や経済活動に大きな影響を与えないよう一日も早く復旧作業を進めたい。
 南会津地方では10日に「50年に1度」という激しい雨が降り、南会津町舘岩では道路の路面が崩落して集落が一時孤立した。浜通りと中通りでも避難所で不安な夜を明かした人たちがいた。

 南会津地方は震災と同じ年の2011年7月の新潟・福島豪雨の傷痕を残したままだ。浜通りの沿岸部も津波の被災から復興途上にある。水害復旧は急務だ。

 大雨はきのう峠を越したが、増水した河川は水位の高い状態がしばらくは続く。地盤が緩んでいる所では、少しの雨でも土砂崩れが起きる危険性が高い。引き続き厳重な警戒が必要だ。

 今回の大雨は台風18号から変わった低気圧と東海上の台風17号との合間に湿った空気が流れ込んで発生した「線状降水帯」がもたらした。南北に500キロの長さに及び、気象庁の関係者が「見たことがない」という気象現象だ。

 これにより10日から11日にかけ栃木、茨城、宮城の各県に「重大な危険が差し迫った異常事態」(気象庁)を知らせる大雨特別警報が立て続けに発令され、県内でも大雨警報が出された。

 全国各地で異常気象による災害が後を絶たない。人命を守るためにはどの地域にどれほどの危険性が迫っているのかを予測し、迅速に警報や避難指示を出すための精度を上げることが重要だ。

 その内容が住民に周知できているかも検証しなければならない。自然災害の激甚さは増している。備えは十分すぎることはない。