【9月15日付社説】マイナンバー制度/周知徹底と安全対策強化を

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 制度の認知度向上と、情報セキュリティーの対策強化に向けて全力を尽くしてほしい。

 国民一人一人に番号を割り当てて、社会保障や納税に関する情報を一元管理するマイナンバー制度は、10月初めから始まる個人番号の通知まであと半月余となった。

 同制度は、赤ちゃんからお年寄りまで国民全員に12桁の番号を割り振り、国や自治体が社会保障や納税関連の情報を効率的に管理できるようにする。来年1月、一部の行政手続きから運用が始まる。

 暮らしに直結する制度だが、内容を詳しく知らない人が多いのが実情だ。内閣府が今月発表した世論調査では制度内容を知らない人が5割超に上り、個人情報の不正利用やプライバシー侵害を不安視する声が多い。

 企業の対応も遅れている。東京商工リサーチが6~7月に実施した調査では、システム改修などが「おおむね完了した」と答えた企業はわずか2.8%だった。

 政府は制度の仕組みを丁寧に説明し、国民の理解が深まるよう努めなければならない。

 番号管理や住民への通知などの役割を担う全国の市区町村を対象に共同通信が行った調査では、全国、県内ともに、回答した自治体のうち6割が安全対策に不安を感じていることが分かった。

 主な理由として予算や事務作業の煩雑さ、専門職員の不足を挙げており、日本年金機構の情報流出でセキュリティー強化が課題となる中、現場が対応に苦慮している様子がうかがえる。

 マイナンバーをめぐっては、金融機関の口座に結び付けられるようにする改正法が成立するなど用途拡大に向けた動きが進む。個人情報が万一でも流出した場合の悪影響は計り知れないことを肝に銘じ、実効性のある具体策を早急に講じる必要がある。

 震災と原発事故があった本県では、避難者の手元に確実に番号を通知できるかどうかが課題だ。本来なら書類の送り先は住民票の住所だが、政府は避難先住所への送付を認める特例措置を講じた。

 これを受けて全域避難が続く町村などでは、自治体に届けられている避難先住所に書類を送る。

 自主避難者についても特例が適用されるが、多くは住民票のある市町村に送付先の変更を申請することが必要だ。締め切りが25日に迫る。周知を徹底してほしい。

 マイナンバー制度は適切に運用されるのであればプラス面が大きい。政府は自治体とともに制度内容の理解促進に努め、混乱のない運用開始を目指してもらいたい。