【9月17日付社説】中間貯蔵施設/本格稼働へ早く道筋つけよ

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 除染で出た汚染土壌などの廃棄物を、いつまでも市町村で仮置きしたままにはいかない。国は、中間貯蔵施設の本格稼働に早急に道筋をつけるべきだ。

 そのためには、建設予定地の大熊、双葉両町の地権者の理解と協力を得ることに全力を注ぎ、用地交渉を急ぐことが求められる。

 県が中間貯蔵施設の建設受け入れを表明してから1年が過ぎた。だが、約16平方キロに及ぶ建設予定地の大熊、双葉両町の地権者との用地交渉は難航したままだ。

 環境省が8月下旬までに用地の売買契約にこぎ着けたのは、地権者2365人のうちの7人だけで施設本体の着工の見通しが立っていない。

 地権者の把握や相続関係の確認、建物の評価額算定などに時間がかかっているという。土地を手放すのを迷っている地権者には、丁寧に説明を尽くす必要がある。

 地権者の生活再建を後押しするためにも、要員を十分に確保し作業の円滑化を図ることが重要だ。

 今年3月には、建設予定地内に設けられた保管場に除染廃棄物を搬入する試験輸送が始まった。

 保管場は、施設の本体ができるまでの間に一時的に置いておく場所にすぎない。

 環境省は来年3月までに県内43市町村から約4万3千立方メートルを保管場に搬入する計画だが、同省が見込む施設への輸送量は約1800万~約2800万立方メートル(量を減らす処理前の想定)に及ぶ。

 試験輸送が順調に進んだとしても、本体施設の整備が進まなければ、市町村によってはごく一部が搬出されるだけで、仮置き状態の解消にはほど遠い。

 国は整備が進まない影響が、市町村にとって大きな問題としてのし掛かってくることを肝に銘じなければならない。

 市町村の中には民有地を借りて仮置き場を設置しているところでは借地契約の期限が迫り、契約延長の理解を得る必要が生じる。

 公共用地を使用しているケースでも、仮置きをいつまで受け入れていいのか示されなければ、周辺住民の不信が募りかねない。

 遠藤雄幸川内村長は今月8日、村民に今年1月までとしてきた村内での仮置きの約束を守れなかったけじめとして減給を表明した。

 中間貯蔵施設の建設遅れは国の責任だ。除染によって生活環境の回復を目指している県内市町村の復興に支障を来してはならない。

 中間貯蔵施設の本格稼働に向けては、県の役割も重要になる。国との調整に一層力を入れ、地権者交渉を前に進める必要がある。