【9月19日付社説】食育推進全国大会/健康な心と体を育む機会に

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 健全な食生活の習慣や知識を身に付ける食育への理解と関心を深め、子どもからお年寄りまですべての県民が健康な心と体を育むための生活を広めたい。

 来年6月の第11回食育推進全国大会の本県開催に向け、県の実行委員会が発足、大会の事業計画づくりをスタートさせた。

 食育の推進を通して国民の健全な食生活と豊かな人間性を育もうと、国が6月の食育月間の中核行事として全国各地で開く大会だ。

 北海道・東北地区では本県が初の開催となり、郡山市のビッグパレットふくしまが会場になる。

 2万~3万人と見込まれる全国からの来場者に、本県の食育の取り組みや県産品の安全性を発信する絶好の機会になる。復興の歩みも見てもらえるような大会になるよう準備を進めてもらいたい。

 実行委は共催の県と開催地の同市、県内の食に関係する団体や企業、学校などで構成された。

 初会合では、実行委の構成団体がシンポジウムや講演会、展示などを通してそれぞれの食育推進の取り組みを紹介することを確認した。地域に根差す食文化や食材を知ってもらうイベントなども検討していく考えだ。

 国は心身の健康維持にもつながるとして、食育の推進を呼び掛けている。その意味では、本県開催の意義は大きい。

 県内では東日本大震災と東京電力福島第1原発事故以降、子どもたちの肥満傾向が続き、大人でも生活習慣病のリスクの高まりが心配されているからだ。子どもの場合、虫歯の割合も多く、3歳児の平均の虫歯の数が震災翌年から2年連続で全国最下位になった。

 40歳以上75歳未満の大人の場合は、2012年度の特定検診で内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)に該当した割合が全国で4番目に高かった。急性心筋梗塞による死亡率や塩分の摂取量が全国的に高いとの調査結果もある。

 避難生活を続けている人たちの健康不安も懸念される。放射線の不安をぬぐえない人たちもいて、総じてストレスや運動不足、栄養の偏りなどが県民の健康状態に影響しているとの指摘も上がる。

 食育を幅広い年齢層に浸透させ、より一層進めることによって心身の健康を保つことにつなげることが重要になる。大会開催をそのための契機としたい。

 県は大会を通し食育の推進が県民運動として広がることを期待する。そのためには多くの県民が参加することが必要だ。実り多い大会の開催に知恵を絞ってほしい。