【9月22日付社説】高齢者人口/「生涯現役」の社会づくりを

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  「元気なうちは働きたい」。そんなお年寄りの生きがいを、実現できる社会を目指したい。

 敬老の日に合わせ、県が発表した県内の65歳以上の高齢者人口(8月1日現在)は54万4341人で、過去最多を更新した。

 県人口に占める割合(高齢化率)は28.4%で、前年よりも0.8ポイント上昇し、高齢化が一層進んでいる。

 15~64歳の現役世代の人口に対する高齢者の割合は48.1%で、前年よりも2.0ポイント上昇した。現役世代2人で1人の高齢者を支えている計算だ。

 高齢化のテンポよりも、現役世代の負担が増す進み具合のほうが速いことになる。過疎地域の町村では特に顕著に表れ、少子化や若い世代の県外流出が影響しているのは目に見えて明らかだ。

 県や市町村が計画づくりを進めている地方創生の取り組みを急ぎ、人口減少対策を早く軌道に乗せる必要がある。

 働きたい意欲のある高齢者が増えていることにも注目したい。

 全国の高齢者人口は3300万人を超え高齢化率(26.7%)は本県と同じく0.8ポイント上昇した。

 一方で、2014年に仕事に就いていた65歳以上の高齢者は45万人増の681万人で、過去最多を記録したとの総務省の労働力調査結果もある。

 日本の平均寿命は男性が80.5歳、女性が86.83歳。高齢者人口として統計に入る65歳は、親と子ほどの年齢差がある。

 「高齢者」のくくりが現状に合っているのかとの視点を持ち、まだ働けるという意欲のある高齢者が培ってきた能力や経験を発揮し活躍できる環境を整えたい。

 地方を元気にするためにも、高齢者が社会の担い手の一員という意識を持てる「生涯現役社会」をつくることが肝要だ。

 全国で80歳以上が初めて1000万人を超え、「老々介護」も現実的な課題として挙がる。

 介護にかかる経済的、身体的な負担を軽減する方策の一つとして介護や介助に役立つロボットの開発、普及が求められる。

 ロボットは県が東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興政策に掲げる柱だ。先進的な取り組みを本県から発信したい。

 本県の場合、原発事故で避難指示が出された市町村では、ほかよりも高齢化が加速しているのが気掛かりだ。

 いまだに避難指示の解除に至らない地域もあるが、若者や子育て世代が古里に戻れるための復興政策を確実に進めたい。