【9月27日付社説】若者の県内移住/受け入れ進め活力アップを

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 都会の若者らが一定期間、地方に住んで、農業に従事したり、役場や商工会などで地域振興の仕事に携わる、そんな「地域おこし協力隊」が県内で広がりを見せている。受け入れを促進し、若者の力を地方の活力向上につなげたい。

 協力隊は、過疎に悩む地方に新たな住民を増やそうと、総務省が2009年度から始めた事業で、国が隊員の報酬や活動経費などを受け入れ自治体に支援する。任期が終わってからも活動地域に若者が定住・定着することを目的としている。

 県内の市町村は10年度から受け入れを開始。昨年度の隊員は12市町村の27人だったが、本年度は20市町村、45人まで増えた。年代別では20~30代がほとんどという。

 県内での活動を具体的に見ると、道の駅での観光交流イベントの企画や、特産品を使った6次化商品の開発などがある。喜多方市の山都そばや、三島町の編み組細工といった伝統産業の習得に励む隊員もいる。若者の移住が増えることで、柔軟な発想によるまちおこし事業が生まれたり、伝統産業の後継者の発掘が期待される。

 隊員は、田舎暮らしに希望を抱き、大都市圏などから移住してくる。受け入れ自治体は、隊員が地域に溶け込み、能力を発揮できるよう、隊員と地域住民が触れ合う機会をつくるなど相互理解を図ることが大切だ。

 隊員の任期は1~3年。総務省の調査では、これまでに任期を終えた県内の隊員16人のうち約63%に当たる10人が、その後も活動していた周辺地域で就職するなどして住み続けているという。定住率は、全国平均の約59%を上回る。

 今後、さらに定住者を増やしていくには、受け入れ自治体が就職先を紹介するなど、任期を終えた隊員の支援体制を整えていくことが求められる。

 県は来年度までに、隊員を100人まで増やしたい考え。本県には農林水産業や観光業など若者が活躍できる場が多くある。県や各市町村は、募集説明会などを通し、地方での仕事に意欲がある若者に強くアピールしてほしい。

 政府は、地方創生の柱として地方への移住促進を掲げる。本県は、移住支援に取り組むNPO法人が実施した移住希望地ランキングで4位になるなど移住先としての関心は高い。

 若者に限らず、シニア世代の受け入れに向けた政策も同時並行で進める必要がある。2地域居住なども含め、さまざまな形で移住先として選ばれるよう本県の地域情報を広く発信することが大切だ。