【9月30日付社説】五輪の県内開催/実現目指し復興の起爆剤に

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 東京五輪・パラリンピックを復興の起爆剤にするために、県内での競技開催を実現させたい。

 2020年東京五輪の追加種目として国際オリンピック委員会(IOC)への提案が決まった野球・ソフトボールについて、政府が1次リーグの一部の試合の県内開催を検討している。

 県内で五輪競技が開催されれば、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興をアピールする絶好の機会となる。競技団体と行政、経済界が一丸となって実現へ全力を尽くしたい。

 野球、ソフトボールともに国際的に人気のあるスポーツだ。追加種目として正式決定されれば、野球はソフトボールと統合した1競技として、08年北京大会以来の五輪復帰となり、注目度が高い。

 大会組織委員会は今後、政府とともに本県での競技実施について、前向きに検討する考えだ。県は、競技団体や自治体、経済界などと連携して、政府や組織委に対して開催実現に向けて、誘致活動を積極的に展開する必要がある。

 県内では福島、郡山、いわきの3市が野球・ソフトボールなど追加種目の誘致を目指している。福島市はあづま球場、郡山市は開成山球場、いわき市にはいわきグリーンスタジアムがあり、プロ野球公式戦の開催実績を持つ。

 組織委は野球・ソフトボール会場として必要な要件を明らかにしていないが、球場の観客収容人数以外にも、屋内練習場や宿泊施設の有無などが検討課題となるとみられる。情報収集に力を入れて、「五輪基準」に見合う体制整備への準備を進めなければならない。

 IOCが追加種目を正式決定するのは来年8月の総会で、会場など具体的な開催計画はその後作られる。本県での競技開催を実現するためには、原発事故に対する国際的な懸念を払拭(ふっしょく)できるかどうかにも掛かっている。

 第1原発での汚染水対策と廃炉計画を一日も早く軌道に乗せて、県内での五輪競技開催に向けた機運を国内外で高めていかなければならない。

 会場が分散すると運営費が膨らむなど実施に向けた課題があり、組織委は政府と協議する考えだ。本県としても復興事業を優先して進める中で、新たな施設整備は容易ではないだろう。既存施設を有効に活用する方策を探りたい。

 県内では約20市町村が、各国選手団の事前合宿の誘致に取り組んでいる。競技開催とともにそれらも実現させ、一人でも多くの選手や観光客に、本県の復興と安全性を実感してもらう好機としたい。