【10月8日付社説】第3次安倍改造内閣/復興加速へ意気込みを示せ

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 第3次安倍改造内閣が発足した。安倍晋三首相が新たに掲げた「1億総活躍社会」の実現や、経済再生を重視する姿勢を打ち出した布陣といえよう。

 ただ、残念ながら、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興に対する政権の意気込みは伝わってこない。

 復興予算に全額国費を充ててきた集中復興期間が本年度で終わり政府は来年度から5年間の復興事業に地方負担を求めている。

 原発事故に関連する事業は全額国費を充てるが、住民避難に伴って税収が大きく減った被災市町村などでは、避難指示が解除された後の財源がどのように確保できるのかといった不安が募る。

 県内の除染で出た汚染土壌などを保管する中間貯蔵施設の本体着工に見通しが付かない状況も復興の足かせになりかねない。

 復興政策を一元的に担う復興相には、被災自治体との信頼関係の構築や復興の現場の事情に明るいことが求められる。

 中間貯蔵施設問題を抱える環境相には、用地交渉や汚染土壌の搬送などに地元の理解を得るための腰を据えた対応が不可欠だ。

 それなのに一新された復興相、環境相の面々に、被災地選出議員の顔が見えないのは心もとない。安倍首相は発足後の会見で新閣僚の紹介にとどめ、復興の具体的な指示を示さなかった。

 第3次安倍改造内閣には、復興の道筋を明確に示し加速するよう強く求めたい。

 地方を元気にするための政策遂行も新たな内閣の大きな役割だ。

 少子高齢化や介護といった構造的な課題に取り組む「1億総活躍社会」の実現は、安倍首相が先月の自民党総裁再選を受けて表明した政策目標だ。新たに置かれた担当相が高齢者への就業機会の提供や介護職員の育成などを担う。

 一方で人口減少に対応する「地方創生」の担当相は留任した。少子高齢化対策は地方創生の柱でもある。新しい政策目標と継続する政策目標をどのように整理し、どのように具体策を進めていくのかをはっきりと示すことが重要だ。

 本県選出国会議員では岩城光英参院議員(3期・福島選挙区)が法相に就いた。

 選挙権年齢が18歳以上に引き下げられることに関連し、民法の成年年齢や少年法の適用対象年齢の在り方を検討する重責を担う。

 法務省は被災者の法的紛争解決を支援する日本司法支援センター(法テラス)事業を進めている。被災者の生活再建の後押しにリーダーシップを発揮してほしい。