【10月15日付社説】新聞週間スタート/信頼への責任かみしめたい

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 「ご近所も 世界も見える 紙面から」を代表標語にした第68回新聞週間がきょうから始まる。

 代表標語は名古屋市の主婦が感じている「新聞の良さ」を表現してくれたものだ。

 地域の話題から世界の出来事まで世の中の動きを伝える新聞の役割を再確認し、報道の使命と責任をあらためて刻みたい。

 新聞には政治や経済、社会、スポーツなどあらゆる分野のニュースを読める一覧性を生かし、読者に新しい発想やものの見方を届ける役割がある。

 コメディアンの萩本欽一さんは故坂上二郎さんと組んだコント55号の笑いのもとは新聞記事だったと、インタビューに答えている。

 「飛びます、飛びます」のギャグ。型にはまらない結婚式が増えているとの記事を見て「ジェット機を飛ばしましょうよ。派手ですよ」と笑いのネタを生んだ。

 知識を深め、自分なりの考えを組み立てる思考を育むのも新聞の大切な役割の一つだろう。

 文部科学省の全国学力テストでは、新聞をよく読む児童生徒の平均正答率が、読まない児童生徒より高い傾向を示している。

 作家の林真理子さんは「新聞は文化と教養の基本」と話す。「自分なりの考えを組み立ててみるのは重要なこと」と説くように、学びの教材として新聞が広く学校や家庭で読まれるように理解を広げるのが新聞週間の意義でもある。

 報道の公正さと正確さは新聞に求められる重要な使命だ。経団連関連の経済広報センターの調査では、社会の動きを知るための情報源として「新聞が正確」との答えの割合はテレビやインターネットを抑えて最も多く5割を超えた。

 読者の信頼に応える新聞づくりにまい進したい。来年夏の参院選から選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられる。若い世代が政治への関心を高め、貴重な権利を有効に行使するためにも、伝える力に磨きをかけたい。

 本紙をはじめ全国の新聞社が加盟する日本新聞協会は、2017年4月からの消費税率10%への引き上げに際し、軽減税率を新聞に適用するよう求めている。

 ニュースや知識を得るための負担をできる限り減らしたい。そんな思いからだ。活字文化の維持や普及にとっても不可欠という認識を社会が共有するためにも、国民の「知る権利」に応える新聞の公共的な役目を強く自覚する。

 本県は震災と原発事故からの復興途上だ。県民とともに一日も早い復興を目指す本紙の責任をあらためてかみしめる。