【10月17日付社説】県の地方創生戦略/強み生かし独自性を高めよ

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 本県が人口減少問題を克服し、地方創生を成し遂げるには、他にはない独自性と地域の強みを生かした戦略が求められる。

 県が策定を進めている地方創生の本県版総合戦略の素案が明らかになった。

 若い世代の流出を防ぎ東京圏に一極集中している人の流れを呼び込むという地方創生の方向性に沿って基本目標を設定し、それぞれの目標ごとに重点プロジェクトを列記しているのが特徴だ。

 例を挙げると、基本目標の「しごとづくり」では企業や起業家を誘致して雇用を創出する、「ひとの流れをつくる」では定住・2地域居住を進める―としている。

 これらの重点プロジェクトは、震災前から県が取り組んできた施策であり、国が掲げた地方創生という新しい政策課題への対応としては、一見して新味に欠ける印象は否めない。

 人口減少問題は全国の地方が抱える共通の課題だ。各地の地方版総合戦略に同じような政策が並んでくるのは、容易に想像できる。

 重要になるのは、住みたい、働きたい、子育てをしたい―と思える地域をどのようにつくり上げるかだろう。

 県は2020年までの戦略の達成に結果を残すため、即効性の高い施策を重点化するとしている。

 県には企業誘致にしても、定住・2地域居住にしても、移住したい都道府県の上位に名を連ねてきた本県の強みや魅力を引き出す戦略の展開を求めたい。

 本県は少子高齢化や若者の流出に伴う人口減少のペースが震災と原発事故によって一気に加速したという事情がある。

 内堀雅雄知事が「地方創生は復興そのもの」との考えを示している。本県にとって地方創生が目指す人口減少対策は復興とも重なり、本県に戻ったり移り住む人が増える人口の社会増をどのように実現するかが、かぎを握る。

 県は再生可能エネルギーや医療機器産業を産業復興の柱としている。浜通りの復興では、ロボット産業の振興などを盛り込んだ福島・国際研究産業都市構想が動きだした。

 農業の6次化も復興に欠かせない。こうした復興関連の政策を地方創生の原動力としたい。

 県は今後、県内の中長期的な人口の見通しを試算した人口ビジョンを示す考えだ。地方創生戦略で実現を目指す人口目標ともなる。

 復興への歩みを刻む本県が、地方創生のトップランナーになるためには、実効性の伴う戦略に練り上げることが必要だ。