【10月24日付社説】就職活動見直し/学業と両立できるルールを

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 大学や学生、さらには中小企業の意見を聞き、学生が落ち着いて学業と就職活動に取り組むことができるようにする必要がある。

 経団連は今年から変更した大学生の採用ルールについて、就職活動の長期化や混乱につながったとの批判を受けたため、見直しする方針を固めた。地方の中小企業も人材を確保できるよう配慮したルールづくりを求めたい。

 経団連は来春の大卒者採用で、大学3年の12月に始めていた会社説明会を年明け3月に、大学4年の4月に解禁していた面接などの採用選考を8月にそれぞれ繰り下げた。

 学生の就職活動の開始を遅らせることで、学業に支障が出ないよう配慮を求めた政府の要請を受けた改定だったはずだ。

 しかし、経団連に加盟していない外資系やベンチャー企業、中小企業などが早い時期から採用活動を始め、その後に大手企業の採用活動が解禁になったため、先行企業で内定辞退が相次いだり、学生や大学側からは「かえって就活期間が長期化した」との指摘の声が聞こえていた。

 見直しに当たって経団連は、「学業優先」の思惑が外れた事態をしっかりと検証する必要がある。

 採用日程の変更は、県内の中小企業にも影響を及ぼした。県商工会議所連合会によると、内定辞退を避けるために、大手企業の採用活動をにらみながら採用活動を始めた中小企業が多かった。そのため、採用スケジュールが例年に比べて大幅に遅れている企業もあるという。 採用活動が遅れた分、短期間での選考を迫られるケースでは、企業側の採用希望と学生側の就職希望が合わない「ミスマッチ」も懸念されよう。

 経団連は、中小企業が加盟する日本商工会議所や地方の経済団体と意見交換をするなどして、改善策を見いだすことが重要だ。

 かつての「青田買い」のような動きが広がらないよう注意を払う必要もある。

 学生が地方の中小企業にも視野を広げられるような就活期間の設定も検討すべきだ。

 県の調査では、県内の大学に通う県内出身者の6割強が、県内での就職を希望している。首都圏の大学に通う県内出身者のうちUターン希望者は3割強だった。

 本県の活力維持に若い人材の確保が欠かせない。産学官の連携で県内企業の会社説明会やインターンシップの充実などを図り、県内で就活しやすい環境を整えることが肝要だ。