【10月25日付社説】県の予算編成方針/復興加速へ財源フル活用を

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 県は東日本大震災から6年目に入る2016(平成28)年度を復興の節目の年度と捉え、県土の着実な復興再生に向けた道筋を付ける予算を組むことが重要だ。

 県は来年度の当初予算編成方針を策定した。引き続き震災と原発事故に関係する「復興・再生枠」を別枠で設け、今後編成作業を本格化させる。

 予算編成では、政府が来年度から被災地の復旧・復興への関わり方を転換することを考慮に入れる必要がある。

 政府が10年間としている復興期間は来年度から後半の5年に入る。政府は前半5年を「集中復興期間」とし復興財源に全額国費を充ててきたが、来年度以降は一部に地元負担を求めることにした。

 政府は地元の負担割合を極力抑える方針だが、復興事業によっては被災地自身に「選択と集中」が迫られることになる。

 ただ、復興の進み具合はいまだに地域によってさまざまだ。県は県内の市町村の状況に応じ、必要な復興財源を継続的に確保していくことが求められる。

 原発事故からの復興予算の確保については、特に被災自治体との連携が不可欠になる。

 政府は帰還困難区域を除き、17年3月までに避難指示を解除する方針だ。県は住民の帰還を見据えた復興拠点の整備や生活再建策を後押しし、避難区域の復興を加速させることが重要だ。

 復興の芽を育てる事業予算の確保も重要になる。浜通りの産業再生を目指す「福島・国際研究産業都市構想」などは、政府とも連携を強めて具体化を図らなければならない。

 復興に加え地方創生も県政の大きな課題に挙がる。内堀雅雄知事が「本県にとって地方創生は復興そのもの」との考えを示しているように、県は復興計画の重点プロジェクトとして人口減少・高齢化対策や風評・風化対策を掲げ予算を優先配分する方針だ。

 県は「復興・再生枠」の財源については国からの交付金や補助金などから確保する考えだ。

 一方で復興関連以外の「通常枠」については、社会保障関連費や維持補修費などの増加が見込まれ厳しい予算繰りが予想される。

 県は、公共事業については本年度当初予算比で15%削減して歳出を抑え、「通常枠」の予算規模を本年度並みにする考えだ。

 ただ、復旧・復興事業を除く県の財政見通しでは、来年度から5年間で約2000億円の財源不足が見込まれている。貴重な財源を本県の活力向上に生かしたい。