【10月27日付社説】合唱王国健在/切磋琢磨しさらなる高みを

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 「合唱王国ふくしま」の伝統が脈々と受け継がれている。今年も全国最高峰の実力を発揮した部員たちに大きな拍手をおくりたい。

 第68回全日本合唱コンクール全国大会の高校部門で会津、中学校部門で郡山五が文部科学大臣賞を受賞し、日本一に輝いた。会津は2年連続、郡山五は3年連続混声、同声両部門日本一の快挙だ。

 このほか、高校部門では郡山が金賞、福島東が銀賞、安積黎明が銅賞を受賞。中学校部門の混声では郡山二が金賞、若松二が銀賞、一箕が銅賞。同声では若松四が銀賞、郡山七が銅賞を獲得した。

 同大会に先立つ第82回NHK全国学校音楽コンクールでは高校部門で、郡山が初の金賞に輝き全国の頂点に立つなど、合唱王国の強さを全国に見せつけた。

 大会での活躍を伝える紙面は、部員たちの喜びであふれていた。大きな重圧を集中力ではね返した、その達成感は相当のものだったに違いない。それも部員同士や指導者との絆や信頼があってのものだ。さらなる高みを目指して切磋琢磨(せっさたくま)し合うことで、合唱王国の歴史が刻まれ続くことだろう。

 本県には、学校や社会人の合唱団が数多く存在し、各全国大会で上位の実績を積み重ねている。

 県合唱連盟の菅野正美理事長(郡山高教諭)は全国トップクラスのレベルを維持し続ける本県合唱の強さについて、「ライバルでありながら仲良く、互いを高め合っている」と分析する。

 本県では来年、全国では数年後に、合唱コンクールへの小学校部門の新設が計画されている。今後は、小学校から一般まで、縦のラインを充実させれば、情操教育にも効果を上げるだろう。

 本県の復興と地方創生のために必要なのは産業振興や経済発展だけではない。音楽など文化も育まれてこそ豊かで住みやすい県土となる。合唱王国が健在であり続けられるよう関係者の努力に期待するとともに、県民も精いっぱい、応援しよう。

 そのためには、より多くの県民が全国トップレベルのハーモニーに親しむ機会がもっとあってもいいのではないか。

 その一つとして、2008年から本県で開いている声楽アンサンブルコンテスト全国大会を育て上げたい。合唱の盛んな本県にふさわしい事業であり、さらに発展させ、まちや人々を元気にしたい。

 来月には大学、職場、一般部門の全国大会が開かれ、県内から福島大混声合唱団とローブ・デ・タン(福島市)が出場する。練習の成果を存分に発揮してほしい。