【10月31日付社説】高校生の政治参加/勉強や学校生活に気配りを

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 来年夏の参院選からは高校生でも18歳になれば有権者になる。生徒が政治や政策に対する自分の考えを持ち、主体的に政治参加する環境を整えることが求められる。

 文部科学省は、高校生の政治活動や選挙運動を一部容認する通知を、都道府県教育委員会などを通じて全国の高校に出した。

 新たな通知により、高校生が放課後や休日に、校外のデモや集会に参加することが、原則認められることになった。

 高校生の政治活動は、1969(昭和44)年の文部省(当時)通知によって学校内外を問わずに全面的に禁止されてきた。

 当時は激化した学生運動が大学から高校にまで広がり、学校現場が混乱したための措置だった。

 46年ぶりの通知の見直しは、今年6月に成立した改正公選法で選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられたことを受けての対応だ。

 通知が、放課後や休日の校外での政治活動や選挙運動を「家庭の理解の下、生徒が判断し、行うもの」と容認したのは、18歳の高校生が主権者になる時代の流れからも当然といえるだろう。

 ただし、重要になるのは高校生の「本分」を忘れないことだ。生徒が政治活動に熱中するあまり、自身や他の生徒の学業や学校生活に、支障を来すようなことがあってはならない。

 通知が、デモや集会が違法、暴力的になる恐れが高い場合には、制限や禁止の指導を学校側に求めたのは妥当だ。

 学校内の政治活動や選挙運動については、これまでと同様に禁止が必要とした。教育基本法が学校に政治的中立の確保を求めているのを踏まえた判断だ。

 授業だけでなく、生徒会活動や部活動を「学校の教育活動の一環」とあらためて明記し、学校教育の現場に政治活動が及ばないよう歯止めをかけたといえる。

 通知は高校の指導上の留意点も挙げた。その中では教員に、個人的な主義主張を述べることは避け、公正中立な立場で指導するよう要請した。

 一定の制限を設けて高校生の政治活動が認められる一方で、学校側には、政治的な中立が求められる。学業や学校生活への影響にも注意を払う必要がある。

 通知に対し、県内の教員からは「校内外の活動の線引きが曖昧」などと懸念の声が聞かれる。

 県教委は教員が抱える疑問を洗い出す考えだ。学校現場が萎縮したり混乱しない対応が必要だ。本県の復興を担い将来を開く若者の政治参加を支える機会にしたい。