【11月4日付社説】RSウイルス流行/予防に努め感染に歯止めを

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 乳幼児が感染すると重症化する恐れがある急性呼吸器疾患、RSウイルス感染症が流行している。手洗い、うがい、「せきエチケット」の徹底などで予防に努めたい。

 県によると、小児科のある46医療機関から10月19~25日の1週間に報告があった患者数は188人で昨年同期の3.8倍に上った。1医療機関当たりの報告数も4.09人と全国平均の1.31人を大きく上回っている。

 1医療機関当たりの報告数を地域別にみると、会津が8.00人で最も多く、相双6.67人、県北4.80人、郡山市4.43人、いわき市2.63人、南会津2.50人、県南2.00人、県中1.17人と続く。前週に比べて会津で倍増、相双では半減など動きはあるが、県内全域で油断できない状況だ。

 流行は全国的な傾向だが、県内では10月から急増した。例年は11月から1月にかけてが多いが、今年は前倒しする形となっており、これまでの累積患者数は昨年同期の1.7倍にもなっている。県は2003年の調査開始以降2番目に多かった昨年を上回る可能性があるとみて警戒を強めている。

 RSウイルス感染症は、2歳ごろまでにほとんどの人が感染し、インフルエンザウイルスと同様に生涯にわたって感染を繰り返す。大人が乳幼児の感染源になる危険性もあることを覚えておきたい。

 発熱やせき、鼻水など風邪に似た症状が数日続き、多くの場合は軽症で済むが、生後数カ月までの乳児や小児などは気管支炎や肺炎などの重い症状につながることがあるから注意が欠かせない。

 ワクチンや特効薬はなく、せきやくしゃみ、感染した人のウイルスが付いた物に触れることなどで感染する。時として重症化すると突然死の誘因となることもある。症状がみられた場合はすぐに医療機関で診察を受けたい。

 製薬会社のアッヴィが、7月に2歳以下の子どもを持つ父親と母親計1030人を対象に行った意識調査では、RSウイルス感染症について、約7割がどのような感染症かを知らなかった。知っている人でも重症化のリスクを認識している人は2割以下だった。

 この調査では6割近い親が、鼻水が出ていたり、微熱があるなど病気の疑いがあっても子どもを登園させている。同時に6割を超える親が子どもの病気やけがで仕事を休みにくいとも答えている。

 RSウイルス感染症の拡大を防ぐためには、正確な知識の普及と啓発、さらには小さな子どもを育てながら働く親たちへの支援体制整備が求められる。