【11月6日付社説】県議選の無風区/大切な一票生かしたかった

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 県議選がスタートした。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から2度目、内堀雅雄県政が誕生してから初めての県議選だ。15日の投開票に向けて、大いに論戦を戦わせてほしい。
 今回の県議選には19選挙区に計79人が立候補した。前回より9人少ないのも寂しいが、何より残念なのは無投票が多いことだ。前回より3選挙区多い8選挙区の14人が無投票当選を決めた。全選挙区の4割、全議席の4分の1を占める。有権者は大切な一票を生かすことができなかったことになる。何とももったいないことである。

 日本の地方自治は、首長と議会による「二元代表制」を採っている。首長と議会が切磋琢磨(せっさたくま)しながら政策を作り、互いにチェックし合うことが期待されている。

 震災からの復興と地方創生を目指す本県にとって、県民の意思決定の場である県議会の役割は重くなりこそすれ、軽くなることはない。県議会の機能が弱まるようなことがあってはならず、そのためにも選挙で政策を論じ合い、有権者の負託を受けるという手順を踏むことが本来は必要だ。

 仮に無投票になることで緊張感が薄れ、県政の停滞につながるようなことがあれば、そのつけは最終的に県民に回ることを有権者も含めて認識しなければならない。

 地方選での無投票の増加は全国的な傾向だ。今春の統一地方選で行われた41道府県議選では960選挙区のうち、3分の1に当たる321選挙区が無投票となり全議席に占める割合は2割を超えた。

 議員のなり手が少ない理由は複合的だが、人口減少や高齢化による人材不足が背景にある。政治への不信が、政治への関心を低下させ、地方政治を担う人材の枯渇化を招いているとの指摘もある。

 今回の県議選で無投票当選を決めた14人のうち13人が現職だ。議員が当選を重ねることで、支持基盤が固まり、新人候補が出にくいということもあるだろう。資金や時間の制約などから立候補を決断できないという声も聞いた。

 県議会と県民の距離を広げないために、立候補の壁を低くする仕組みや議会運営の在り方などについて検討を進めてもらいたい。

 ともあれ今回の県議選は、震災からの4年7カ月余を検証し、将来を論じ合う大切な選挙だ。

 無投票当選を果たした14人には民意をきめ細かくくみ取るために工夫を凝らし直面する課題に果敢に取り組んでほしい。そして、選挙戦に入った11選挙区・65人の候補者には、政策をぶつけ合う熱い舌戦を期待したい。