【11月7日付社説】福島市でミス多発/対策徹底し連鎖に歯止めを

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 ミスの連鎖は早急に断ち切らなければならない。住民サービスを預かる役所なら、なおさらだ。

 福島市は、災害が起きた際の避難に支援が必要な高齢者や障害者をあらかじめ登録する台帳に誤記載があったと発表した。

 誤りのあった台帳には、登録を希望した市民の身体的な状況について「要支援」の市民750人が「要介護」と表記されていた。

 市から作成の委託を受けた業者が誤ったためだが、市職員が確認せず、誤記載に気付かなかった。

 登録台帳は「災害時要援護者登録制度」に基づいて作成される。援護がないと一人では避難できない市民の登録情報を自主防災組織や町内会、消防団、民生委員などの「地域支援者」が共有し、避難誘導や安否確認などの支援活動に活用しようというものだ。

 地域ぐるみで助け合う支援体制をつくろうという制度の趣旨に照らせば、登録情報が誤ったままでは、万が一の際に災害の最前線に置かれる地域が混乱しかねない。

 委託した業務が正しく行われているかどうかの確認作業は、役所の基本中の基本といえよう。市はそれを怠った責任を重く受け止めなければならない。

 この件では登録の案内を市民に郵送する際に業者の誤ったデータを使ったため、例年は案内の対象としていない市民1103人に郵送されるミスが重なった。

 一つのミスが次のミスを生む悪循環を招いては、市民の信頼を失いかねないと肝に銘じるべきだ。

 そうでなくとも、同市ではこの1年間に業務ミスが相次いで明らかになっている。

 昨年12月には衆院選の開票で市選管が80票もの票を集計しないまま有権者の持ち帰り票として処理した不手際があった。今年2月には国民審査関係書類を保存期限前に廃棄していたことが発覚した。

 その後も市立幼稚園で教員免許の未更新者を嘱託教諭に採用していた2件のケースがそれぞれ6月と10月に明らかになった。

 10月には住民票に誤ってマイナンバーを記して交付するミスがあった。避難情報を知らせる緊急速報メールが防災訓練で機能しなかったのも10月だ。速報メールはシステムの不具合で導入から約1年半にわたり送信できない状態だったことが後に分かっている。

 小林香市長が同月の定例会見で陳謝したが、今月になっても介護保険料の誤徴収が判明し、ミスに歯止めがかからない状況だ。

 再発防止策の徹底は当然だ。市には職員の意識や組織の運営に緩みがないのか検証を求めたい。