【11月18日付社説】富岡の処分場計画/理解と協力へ環境を整えよ

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 放射性物質を含む県内の指定廃棄物などを富岡町の民間管理型処分場で埋め立て処分する計画を動かすために政府は、一層の説明責任を果たさなければならない。

 丸川珠代環境相は、内堀雅雄知事と同町の宮本皓一町長、処分場への搬入路がある楢葉町の松本幸英町長と会談し、処分場の計画に伴う政府の安全確保対策と地域振興策を提示した。

 知事と両町長は一定の評価をしたが、受け入れの判断までには至っていない。政府は処分場への不安が根強く残る住民の理解を得るための努力を最優先にすべきだ。

 計画は政府が2013年12月、県内の除染で出た汚染廃棄物を保管する中間貯蔵施設の建設とともに本県側に受け入れを要請した。

 政府は1キロ当たり10万ベクレルを超える廃棄物は中間貯蔵施設に搬入し、10万ベクレル以下の廃棄物は民間処分場に埋め立てることで、県内で出る汚染廃棄物の処理を一体的に進めたい考えだ。

 中間貯蔵施設については大熊、双葉両町で本体施設の用地交渉が進められており、今春からは試験的な搬入が始まっている。

 一方、民間処分場の活用計画は実施が見通せていない。環境省は住民向けの説明会を開いてきたが、住民から不安や反発の声が上がっているのが現状だ。

 県と両町は、これまでに安全確保対策の徹底と地域振興策の具体化を求めてきた。丸川環境相が今回、内堀知事と両町長と会談したのは、本県側の要望に対する政府の回答を届けるためだ。

 この中で丸川環境相は、処分場の国有化方針をあらためて示したほか、安全確保対策として新たに搬入路を整備する考えを明らかにした。国が県、両町と結ぶことになる安全協定を、地元の行政区とも締結する方針も提示した。

 地域振興策については、両町が計画している復興拠点の整備や個別の地域振興策への財政支援を打ち出した。処分場の稼働に伴う影響を緩和するために必要な事業に使えるよう、使途の自由度が高い交付金を創設する考えも示した。

 安全確保はもちろんだが、原発事故からの復興を妨げかねない汚染廃棄物の処理施設受け入れを要請した町の復興・再生に、政府が責任を追うのは当然だ。

 内堀雅雄知事は「真摯(しんし)に対応してもらった」と評価したが、新たな交付金の財源確保について丸川環境相は、県の協力も求めた。

 県は今後、交付金の予算規模などを精査する考えだ。政府と調整を進め、受け入れの環境を整えることが重要になる。