【11月28日付社説】マイナンバー詐欺/不審な電話はとにかく相談

(数字はいいね)  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 「あなたのマイナンバーが漏れている。抹消の手続きが必要だ」

 マイナンバーを口にするこんな電話があったら、それは詐欺の手口と疑わなければならない。

 住民の一人一人に番号を割り当て、社会保障や納税などの個人情報を一元管理するマイナンバー制度に関連する不審な電話が、県内で相次いでいる。

 制度の運用が来年1月から始まるのに合わせ、住民に番号を知らせる通知カードの配達が県内でも本格化している。不審電話はこうした動きに呼応するように確認され、県警と県消費生活センターには、6月から今月26日までに合わせて15件の報告があった。

 電話の相手は役所や保険会社などを名乗り、冒頭の例のように切り出す。「マイナンバーに必要だから」と、家族は何人? 預金通帳は何通持っている? などと個人情報を聞き出そうとしてくる。数日後、相手が変わってまた電話がかかってくるケースもある。

 金銭の要求が直接なくても、マイナンバーの番号や個人情報を教えたら、後でどのように悪用されるか分からない。

 県警は、なりすまし詐欺の新たな手口とみて「番号や個人情報を聞き出し、詐欺に利用しようとしているのでは」と警戒を強める。

 県内ではいまのところ、マイナンバーをめぐる詐欺被害は出ていないが、まず確認したいのは公的機関や民間企業から直接家庭にマイナンバーに関する電話がかかってくることはないということだ。

 もし不審な電話がかかってきたら相手の質問に答えたりはせず、すぐに警察や消費生活センターに通報することが重要だ。家族や知人にも相談したい。

 通知カードが手元に届くのは、地域によってまちまちという現状も理解しなければならない。

 政府は当初、今月中に国内の全ての世帯に配達を終えるとしてきたが、郵便局への搬入の遅れなどから、県内では8市町村で12月にずれ込む見通しになった。

 他県では「通知カードがいつ届くか調べる」と言って手数料を要求され、実際に現金を支払った被害が出ている。

 いつ届くのかとの住民の不安につけ込んだ例だ。配達遅れについて高市早苗総務相は、運用に影響はないとの見方を示しているが、配達が遅れるほど詐欺グループにつけいる隙を与え、住民が被害に遭うリスクが高まりかねない。

 政府は、マイナンバーに絡んで詐欺事件が頻発するようでは、制度自体への信頼性にも影響してくると肝に銘じる必要がある。