【12月5日付社説】指定廃棄物処理/決断受け止め復興加速せよ

(数字はいいね)  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 東京電力福島第1原発事故に伴い、県内の市町村で一時保管されたままの「指定廃棄物」の処理を、一日も早く実現させたい。

 指定廃棄物とは、ごみの焼却灰や下水汚泥、稲わらなどのうち放射性セシウムの濃度が1キロ当たり8000ベクレルから10万ベクレルの範囲にある廃棄物のことだ。

 発生した市町村で保管する一時的な措置が取られているが、県内の発生量は28市町村で計13万8000トン(9月末現在)に上る。原発事故から4年8カ月が過ぎ、一時保管場所の確保や環境回復の遅れに頭を悩ませている市町村もある。

 この指定廃棄物を富岡町の既存の管理型処分場に埋め立てて最終処分する国の計画を、同町と処分場への搬入路がある楢葉町、県が受け入れると認め、丸川珠代環境相に伝えた。

 両町と県が受け入れを容認したのは、ともに処分場は復興の加速化に必要な施設と判断したからだ。環境省は一層、住民の理解を得る努力を重ね、早急に搬入開始にめどを付けなければならない。

 搬入開始までには処分場の補強や搬入路の付け替え工事のほか、処分場の国有化や地元との安全協定の手続きも必要になる。これらが順調に進んでも「半年以上はかかる」(同省)との見通しだ。

 受け入れ容認には、国が安全を確保するとの約束が大前提にある。まして指定廃棄物の処分場受け入れは国が処分を計画している本県を含めた6県の中では初だ。

 国は地元の決断を重く受け止め、安全で適切な処理に徹することを忘れてはならない。

 国は除染に伴って発生する汚染土壌などは大熊、双葉両町に新設する中間貯蔵施設に保管し、これとは別に指定廃棄物は既存の管理型処分場で処理できるとし、計画の受け入れを要請していた。

 処分場では双葉郡8町村の生活ごみや旧警戒区域の災害がれきも処理する計画だ。避難を強いられた双葉郡のこれからの復旧・復興、住民の生活再建にも役立てなければならない。

 処分場の計画受け入れでは、国と県が、富岡、楢葉両町の復興とこれからの地域振興策を支援することも約束した。国は福島再生加速化交付金で両町の地域振興を支援するとし、県も両町に計100億円の交付を決めている。

 処分計画を受け入れる両町への支援は当然だが、交付金の使い方が、税金の無駄遣いと映っては、逆に復興の妨げになりかねない。

 住民の帰還や生活再建のために生かすよう国と県、両町も責任を負うことを肝に銘じたい。