【12月6日付社説】U-15野球W杯/希望と元気発信する大会に

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 若き「侍ジャパン」と、各国の精鋭たちが熱戦を繰り広げる大会の開催は、本県が復興を進める姿を世界にアピールする機会となる。選手団や観客の受け入れ態勢の整備に万全を期し、大会を成功に導きたい。

 いわき市で開かれる野球のU―15(15歳以下)ワールドカップ(W杯)の日程が、来年7月29~8月7日に決まった。

 大会は、世界野球・ソフトボール連盟の主催。2012年から隔年で開催しており、過去2回はメキシコで開かれた。いわき大会は復興支援として、日本で初開催となる。日本や韓国、台湾など12カ国の代表が世界一の座を競う。

 会場はいわきグリーンスタジアム、南部スタジアム、平球場の3球場。大会を主管するいわき市は開催に向け、南部スタジアムのグラウンドの人工芝への張り替えや、平球場のトイレ改修などを行う。

 選手や観客が利用しやすい環境整備を進めたい。競技や応援を快適に楽しんでもらおうというおもてなしの心が伝われば、いわきでまたプレーをしたり、観光に来たいというファンが増えるはずだ。

 同市は、2020年東京五輪で追加種目入りが有力視される野球の誘致も目指している。国際大会であるW杯では、通訳や食事など、海外選手団に対応した運営ノウハウが蓄積できる。W杯を成功させれば、13年に同市で開催したプロ野球オールスターゲームの実績と合わせ、五輪誘致に向けた大きなアピールの材料になるだろう。

 市や、市内の商工団体、教育機関などは今年3月、連携して大会を支援するW杯推進委員会を設立した。大会を盛り上げるには、多くの人に関心を持ってもらうことが大切だ。関係機関が一体となり、PRや誘客活動を進めてほしい。

 世界各国から訪れる選手団や応援団と、市民との交流の機会もつくり、復興の状況を海外に発信したい。市は、「1校1国運動」と称して、出場チームを応援する市内の中学校を募る。応援する国の文化の学習や、試合会場で声援を送ることなどを想定している。

 試合スケジュールの都合もあるだろうが、できる限り若者同士の交流を図りたい。生徒たちの視野を広げ、国際性を育むことにつながるはずだ。

 15歳以下が対象とはいえ、メジャーリーグなどプロ入りを目指す選手が多く出場する大会だ。野球に情熱を燃やす子どもたちが観戦すれば、大きな刺激になるだろう。「自分もいつかは世界の舞台へ」と、勇気や希望を抱くことができる大会にしたい。