【12月11日付社説】温泉王国ふくしま/魅力アップへ個性に磨きを

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  県内の温泉地や旅館・ホテルが相次いで全国ランキングの上位入りを果たしている。県内にたくさんある温泉は重要な観光資源だ。さらに魅力を磨き、本県の復興再生につなげたい。

 福島市の高湯温泉が旅行サイト「じゃらんnet」の「全国温泉地満足度ランキング」秘湯部門で、さらに同市土湯温泉町の野地温泉ホテルが同じく「楽天トラベル」の「人気温泉宿ランキング」で、それぞれ全国1位になった。

 高湯温泉は2010年6月に東北地方で初めての「源泉掛け流し宣言」を行った。宣言は、自然にわき出る自噴式で、加水・加温せずに温泉を供給するなどの条件を満たした温泉地だけができる。野地温泉ホテルも源泉掛け流しで、乳白色のにごり湯が自慢だ。日本一の評価は、各旅館の努力とブランド定着の裏付けともといえる。

 このほか、じゃらんの秘湯部門では下郷町の湯野上温泉が2位、猪苗代町の表磐梯温泉が5位に入った。楽天のランキングでは「売れ筋温泉」で、いわき市のスパリゾートハワイアンズが6位、福島市の飯坂ホテル聚楽が19位に入るなど健闘している。

 環境省の統計によると、県内温泉地の年間延べ宿泊利用人員は、2010年度は461万人だったが、震災と原発事故の影響を受けて11年度は317万人に激減。その後は12年度429万人、13年度452万人と持ち直しつつある。

 さらに回復、増加させるためには旅館・ホテルや観光関係者ばかりではなく、国や県の後押しが欠かせない。入湯税収入を得る立場にある市町村も、魅力ある温泉地づくりの旗振り役として役割を積極的に果たしてほしい。

 県内には777の源泉と、135の温泉地があり、温泉地の数は全国5位、源泉数では全国8位を誇る。2000年度には632万人にも上る利用人員があったことを忘れずに誘客増を目指したい。

 日本人の温泉利用は、団体旅行が全盛の時代から、家族や友人同士の個人旅行、さらには温泉そのものを楽しむ旅行へと変化してきた。宿泊を伴わない日帰り温泉利用も増えている。利用客を呼び込むためには、より個性的な温泉地づくりが求められている。

 県内の温泉は、山間の秘湯や昔ながらの湯治場から、旅の拠点となる観光温泉、さらには立ち寄り湯まで多様性に富む。県外からの誘客促進はもちろん大事だが、県民も県内の温泉地に足を運び、その良さを再認識したい。年末年始は家族そろって温泉を満喫するいい機会でもある。