【12月15日付社説】子ども貧困対策/実態つかみ効果的な支援を

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 政府を挙げて取り組もうとしている「子どもの貧困対策」の実効性を上げるためには、地域の実態を詳細に把握し、浮かび上がる課題に対し、明確な目標を定めることが重要になる。

 政府の子どもの貧困対策大綱に沿い、県は来年2月にも県の取り組みを定めた行動計画を策定する方針だ。

 厚生労働省の最新の調査(2013年国民生活基礎調査)では、国内の子どもの貧困率は16.3%となり、85年の調査開始以来、過去最悪となった。

 貧困率とは国民の平均的な所得水準の半分に届かない人の割合を指し、年々悪化しているという。中でも母子家庭や父子家庭などのひとり親世帯に絞ると、54.6%に跳ね上がるという。

 このため大綱は、貧困率など子どもの貧困に関する指標を設定し、その改善に向けて子どもへの教育や生活支援、保護者への就労支援などに取り組むとしている。

 昨年施行された子どもの貧困対策推進法では都道府県に具体的な行動計画の策定が求められ、地域から子どもの貧困解消につなげる対応が必要になる。

 ここで指摘しておきたい点は、県が先日明らかにした行動計画の素案では、政府の大綱が掲げた指標に対応する具体的な目標が盛り込まれなかったことだ。

 県によると、貧困率などは国が直接集計するため、県にデータが存在しないと説明する。地域の実情に沿った対策を計画するのであれば、県は早急に子どもの貧困の実態把握に努めるべきだ。

 世帯全体の貧困状況を調べるデータは、県にもある。例えば、児童扶養手当の受給資格があるひとり親世帯の年間収入をみると、200万円未満が6割を占める。

 学用品や修学旅行費用を補助する行政の就学援助の対象になった県内の小中学生が、震災のあった年の11年度以降に2万人を超えたとのデータもある。

 専門家からは、子どもの貧困は外部から見えにくいとの指摘もある。子どもの暮らし、教育の実態を反映した指標や数値目標を立て、それに沿った有効な対策を積み上げることが肝要だ。

 県は行動計画を、本年度から始めた子育て支援計画「ふくしま新生子ども夢プラン」と一体的に進めるとしている。

 世帯の家計の厳しさが、子どもの教育や成長を妨げる貧困の連鎖を生むような状況を断ち切ることが、子どもの貧困対策にとって重要になる。子どもに視点を当てた行動計画を求めたい。