【12月19日付社説】五輪選手の育成/世界レベルに押し上げよう

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 東京五輪・パラリンピックの開催まで5年を切った。世界の大舞台に、本県選手が一人でも多く出場できるよう、選手の育成、競技力の向上を後押ししたい。

 若手選手やトップアスリート育成の中心となるのが県体育協会だ。県体協は東京五輪の開催を見据え、これまでの取り組みの一層の強化に乗り出した。

 特に力を入れるのが、いまの段階で東京五輪出場が有望視される15~20歳の選手を対象にした「ふくしま夢アスリート事業」だ。

 県体協は本年度、国体や全国高校総体(インターハイ)など全国大会で活躍した67選手を夢アスリートに指定し、指定選手の合宿や講習会参加を補助している。

 五輪選手に育てるためには、多くの指定選手が国際的な強化練習会などへ積極的に参加し、世界レベルの技術へと磨きをかけることも必要になるとしている。

 世代ごとに競技力の底上げを図るための取り組みも重要になる。県体協が小学3~5年生から運動能力の高い子どもを見いだし、さまざまな競技に挑んでもらう「うつくしまスポーツキッズ発掘事業」は今年で10年目を迎えた。

 同事業からは、今年の国体の陸上競技や水泳などに出場した選手が育った。県体協は同事業を継続し、若い世代からの有望選手の発掘につなげたい考えだ。

 県内で40を超す競技団体の活動強化も必要となる。県体協は、各競技団体が行う合宿練習の重要性を挙げている。合宿を通して選手が専門的な指導を受けながら集中して競技に取り組むことが、技術レベルの向上に効果的という。

 各競技団体には合宿練習をなるべく多く積み重ねたい意向があるが、競技団体や選手が支出する費用の自己負担が重くなり、活動強化の制限になるとの声が上がる。

 このため県体協は、競技団体の支援に向けて独自に強化費を確保し、各団体に配分する方針だ。

 競技力の向上をめぐっては、県が県体協を通して強化費を配分しているが、財政が厳しいとの理由から年々削減されており、本年度は10年前の3分の1ほどの約5千万円にとどまっている。

 県体協は強化費を上乗せするための財源確保に向け、企業や個人から寄付を募る賛助会員制度の周知に力を入れる。東京五輪開催年の2020年までに1億円の寄付を呼び掛ける方針だ。

 東京五輪は、東日本大震災からの復興をアピールする機会にもなる。本県選手が活躍する姿を世界に発信するために、県民の理解と協力を高めていくことが重要だ。