【12月27日付社説】火災死亡相次ぐ/身の回りの「防火」再点検を

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 暖房器具を本格的に使う上、空気も乾燥し、火災が発生しやすい季節だ。「火の守り」への備えと心構えを再点検したい。

 県内で火災による死者が相次いでいる。今年に入ってから今月24日までに火災で亡くなった40人のうち、13人が11月以降に犠牲になった。昨年の11、12月の死者は計6人で、今年は2倍以上だ。これ以上、悲劇が起きないよう防火へ気を引き締めなければならない。

 今年、県内で住宅火災で亡くなった人のうち約3分の2が65歳以上の高齢者だ。県によると、高齢者宅は比較的建築年数が長い木造住宅が多いため火の回りが早く、逃げ遅れる危険性が高いという。

 消防庁の統計によると、昨年発生した住宅火災による死亡原因は逃げ遅れが最も多く、全体のうちの半数強を占めた。

 いち早く火災発生に気付くためには、煙や熱を感知して音や光で知らせてくれる火災警報器が役立つ。住宅への火災警報器の設置は消防法で義務付けられているが、県内の設置率は今年6月1日現在で約74%にとどまり、全国平均の81%を下回る。

 折から年末年始の休みに入る。実家に帰省した際には、火災警報器は取り付けられているか、電池は十分あるかなど、小さな親孝行のつもりで気配りをしたい。

 高齢化や核家族化が年々進み、高齢世帯が増えている。火災に気付いても、自力で避難するのが難しいお年寄りや、体の不自由な人もいる。隣近所で火災予防を呼び掛け合い、万一の協力体制をつくっておくことも重要だ。

 火事を起こさないためには〈1〉料理中、コンロから離れるときは必ず火を消す〈2〉ストーブは燃えやすいものから離して使う〈3〉寝たばこはしない―などの基本を守ることが大切だ。

 火を使っているときは、「ほんのちょっとだから目を離しても大丈夫だろう」などといった油断が火災につながることをあらためて認識する必要がある。

 電気器具にも注意を払いたい。電気コードの劣化による漏電や、コンセントとプラグの隙間にほこりが入り発火することがあるためだ。大掃除に合わせて、安全点検をしたり、寝具やカーテンを燃えにくい防炎加工製品に交換することも防火につながる。

 失火への注意とともに、建物火災の原因で最も多い「放火」にも警戒が必要だ。

 家の周りに燃えやすいものを置かないことや、ごみは収集日時を必ず守るなど、被害に遭わないための環境を整えたい。