【12月29日付社説】県人口が戦後最少/現実直視し反転攻勢かけよ

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 人口の急減を嘆いたり、悲観してはいられない。本県にとって、人口減少対策の鍵を握るのは「復興」と「地方創生」だ。車の両輪として推し進めることが重要だ。

 県が発表した国勢調査の速報値によると、10月1日現在の県人口は191万3606人で、5年前の2010(平成22)年の前回調査に比べ、11万5458人(5.7%)減った。

 県人口は戦後最少、減少幅は過去最大といった落ち込みようだ。今回は東日本大震災と東京電力福島第1原発事故後初めての国勢調査で、被災の影響を色濃く残している実態を表したと言えよう。

 国勢調査では、その場所に住んでいる人の数を集計するため、原発事故で全域避難を続けている6町村のうち富岡、大熊、双葉、浪江の4町は、人口が「ゼロ」とされた。

 ほかは、葛尾村が避難指示の解除に向けた準備宿泊者数の18人、飯舘村が特別養護老人ホームの入所者数41人となった。

 避難指示が解除された双葉郡のほかの町村も大きく減少し、住民の帰還が進んでいないことをあらためて裏付けた。

 国勢調査人口は、国から市町村に配分される地方交付税の算定基準に使われる。

 今回の調査結果は来年度から適用されるため、住民避難が続く自治体では、財政運営に支障が出ないよう国が特例的な措置を取ることが必要だ。

 避難指示が出された自治体の復興を加速させ、住民が帰還できる環境の整備を急ぐことが肝要だ。

 市町村別人口をみると、県内59市町村のうち前回よりも増加したのは福島、いわき、相馬、大玉、西郷、三春の6市町村だけだ。

 このうち福島、いわき、相馬、三春の4市町では、男性の増加率が高い。避難者や除染など復興関連事業の作業員を受け入れていることが要因とみられている。

 残りの53市町村は、前回よりも減っている。南会津、会津地方の町村の減少が目立つほか、県中や県南地方でも2けたの減少幅となった町村もある。

 これは前回同様の傾向だ。震災と原発事故の影響ばかりに目をとらわれてはならない。震災以前から続いてきた過疎、少子高齢化に伴う人口減少の深刻さを直視する必要がある。

 国と県、市町村に求められるのは、人口減少克服に向けた「地方創生」の戦略を早期に実践に移すことだ。国勢調査の結果を詳しく分析し、未来を展望した戦略の実行につなげたい。