【12月30日付社説】震災関連死/心身の負担和らげる支援を

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 東日本大震災や東京電力福島第1原発事故によっていまだに避難を強いられている人たちの心と体を守る対策の強化が急務だ。

 県のまとめによると、避難が原因で亡くなる「震災関連死」と認定された人が、2000人を超えた。

 28日現在で2007人に上り、地震や津波で命を落とした直接死の1604人を403人上回る。

 復興庁によると、震災関連死の死者数は岩手県が455人、宮城県が918人(いずれも9月末現在)で、被災3県の中でも本県が突出している。

 震災と原発事故から4年9カ月以上が過ぎた。避難の長期化が背景にあるのは明らかだ。

 約10万1000人がいまだに県内外に避難しているという厳しい現状にもある。避難者の肉体的、精神的な負担が増している深刻な事態と受け止めなければならない。

 震災関連死では、長期避難によるストレスや疲労が原因で、避難先で持病が悪化したり体調を崩して亡くなるケースが多いという。

 家族が離れ離れのままだったり、いつまでも先が見通せない不安や焦りといった避難者が抱え込む負担は、避難が長引くほど増え多岐にわたることを肝に銘じなければならない。

 避難指示区域の住民を対象に実施した県の県民健康調査では、成人で高血圧やうつ状態が増加していることが報告されている。

 震災関連死の大半は高齢者だ。日ごろの健康管理が大切な高齢者を見守り孤立化を防ぐことが心身の健康を保つために重要になる。

 震災関連死は、遺族の申請を受けて市町村の審査会などが、震災や原発事故による避難と死亡との因果関係を判断し認定している。

 時間の経過とともに、さまざまな要因が避難者の健康に関わってくるだろう。それだけ因果関係を証明するのは困難になり、不認定への異議申し立てや訴訟に持ち込まれるケースも相次いでいる。

 市町村によって認定にばらつきがあるとの弁護士の指摘もある。数字に表れない震災関連死のリスクが潜在しているとみるべきだ。

 震災関連死や、孤独死、自殺に追い込まれる人を出してはならない。

 そのために県は、震災関連死などを防ぐ目的で行っている生活相談員が避難者を巡回する見守り活動を、さらに強化すべきだ。

 これまで以上に相談員の確保に努め、避難者の悩みの相談や暮らしぶりに注意を向ける体制を整える必要がある。健康の改善や自立を後押しし避難生活の不安をなくす取り組みも不可欠だ。