【1月3日付社説】県産食品/「おいしい福島」広めるとき 

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 今年は、県産食品が風評被害に悩まされ続けている原発事故から丸5年となる。「食」は元気の源だ。節目の年に福島のおいしい食を国内外に発信しよう。食を通して福島から元気が広がれば、県民の自信と誇りにつながるはずだ。

 県産の農林水産物は厳しい放射性物質検査を経て、安全が確認されてから市場に出回っている。

 それなのに価格が低く抑えられたり、消費者の手に取ってもらえない状況が続く。

 コメの全袋検査などは世界に例を見ない。果樹は一本一本の幹や枝を除染してきた。漁はいまだに試験操業にとどまっている。

 風評被害に対しては、検査体制を整え安全確保に努めている本県の取り組みへの理解を、さらに広げなければならない。

 そのためには生産者が、消費者に食べてもらいたいと、地道に続けている取り組みをしっかりとアピールすることが必要だ。

 それに加えて、今年は「おいしいから食べて」と、胸を張って県産食品を売り込む年にしたい。

 県産の農林水産品は生産量で全国上位の品目が多い。震災前年の2010年度に県やJA全農福島、県漁連などが、生産量で全国上位の11品目を「ふくしまイレブン」と名付け、食のブランド化に乗り出した。

 当時、全国2位のモモ、3位のキュウリや日本ナシ、ヒラメ、リンドウ、4位のコメとナメコ、5位のアスパラガス、7位のトマト、10位の福島牛に県ブランド認証産品の地鶏が「イレブン」だ。

 全国の消費者から、おいしさや新鮮さ、質の良さが支持されてきた産品がそろう。生産現場では、震災と原発事故からの復興に加え環太平洋連携協定(TPP)への対応という新たな課題もあるが、産品にさらに磨きを掛け、ブランドの浸透に力を入れたい。

 県産の日本酒も自慢の逸品だ。全国新酒鑑評会で金賞受賞数が全国一という実績は、良質な水と気候風土、酒蔵の努力が結実したものだ。海外からの評価も高い。

 「酒どころ福島」の魅力は、本県への交流人口の拡大、観光の振興にもつながる絶好のアピールポイントになる。

 原発事故以降、農林水産業を含めて福島の食に携わる人たちの中には、自分が作ったり、収穫した物が一番との誇りを持ち続け、再起を期す人も多いだろう。

 消費者の立場からも、福島の食を自慢にしたい。贈答品として喜ばれる「おいしかった」のひと言が、どれほどの元気と勇気を与えてくれるだろう。