【1月5日付社説】通常国会召集/復興・創生へ濃密な議論を

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 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から5年を迎える節目の国会だ。復興の歩みを早めるための議論を深めるよう求めたい。

 第190通常国会が召集された。会期は6月1日までの150日間。与野党とも夏に控える参院選を見据えた国会になる。

 環太平洋連携協定(TPP)の国内対策や消費税増税に伴う軽減税率制度、安倍政権が掲げる「1億総活躍社会」の関連施策などを軸に政府・与党と野党の論戦が展開される見通しだ。

 野党側は高木毅復興相の慶弔費問題についても引き続き追及する姿勢をみせており、与野党の攻防の激化が予想される。

 ただ、忘れてならないのは政府の復興政策が2016年度から新たな局面に入るということだ。

 復興予算に全額国費を充てる集中復興期間が本年度で終了し、10年間の復興期間は16年度から残すところ5年になる。

 政府は残り5年を「復興・創生期間」と位置付けるが、被災地に自立が求められるのは明らかだ。

 政府がこの国会で提出する16年度予算案の復興特別会計は15年度当初比で17%減額となった。復興との関わりが薄い施策に被災地負担が求められる。

 「復興・創生」の在り方を決める重要な国会になると銘記したい。与野党とも審議を通し被災地の自立への道筋をしっかりと示す必要がある。

 原子力災害からの復興・再生も正念場を迎えると捉えなければならない。避難指示の解除に向けた環境整備や被災者の生活再建支援が急務だ。産業復興の柱とする福島・国際研究産業都市構想の具体化も実現させる必要がある。

 原発の廃炉や汚染水対策、中間貯蔵施設の整備などの課題が山積したままだ。

 参院選を意識するあまりの与野党攻防に復興の審議が埋没するようなことがあってはならない。

 気になるのは、通常国会の実質的な審議時間が限られる公算が大きいことだ。会期末の5月下旬には主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)が開かれる。その後に控える参院選の日程を考えれば会期延長の可能性は小さいとみられる。

 政府・与党はまず15年度補正予算案、続いて16年度予算案の早期成立を目指す考えだ。

 補正予算案には除染の費用や原発事故の被災事業者の自立支援事業費が盛り込まれている。

 国会には密度の濃い審議の進行が求められる。被災地が「今年こそは」と年頭に抱いた復興への展望を壊してはならない。