【1月7日付社説】北朝鮮「水爆実験」/国際社会への挑発をやめよ

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 孤立をさらに深めるような国際社会への無謀な挑発は、いかなる理由であっても正当化できない。平和を守るというのなら、非核化の意義こそを重視すべきだ。

 北朝鮮が初の水爆実験を成功させたと発表した。核兵器によって国防力を強化し、地域の平和も守るのだとする我田引水のような論理は通用しない。

 北朝鮮の核実験は2006年以来、これで4回目だ。過去3回強行した実験のたびに国連安全保障理事会による制裁が実施され段階的に強化されてきた。

 国民生活向上への経済再建が、国政で最優先の課題だとする金正恩第1書記にとって、さらなる制裁を招くような核実験実施は経済再建に逆行する矛盾した行為だ。

 今回の核実験に際し、北朝鮮は金第1書記の指示、承認で行われた点を強調している。指導体制が強固であることを誇示しようとしているとみられるが、国際社会からの逆風が、いずれ体制を窮地に追い込むことを認識すべきだ。

 国際社会の協調が不足していた点は深刻な教訓となる。北朝鮮は昨年9月、いつでも打ち上げや核実験を実施する状態にあると言明していた。それから約4カ月、日米韓や中国など関係国は、北朝鮮の動きを警戒してはいたが、核実験を思いとどまらせるような有効な手だてを講じてこなかった。

 日韓関係の摩擦が日米韓の協調体制を機能不全に陥らせ、中国が議長国となっている北朝鮮の非核化を論議する6カ国協議も長期中断したままだ。関係国の足並みの乱れが、北朝鮮に核開発の猶予と口実を与えてしまったといえる。

 関係国は北朝鮮の核開発を凍結させる方法を早急に検討すべき時期にきている。北朝鮮が核開発を続ける狙いは、米国との関係構築だ。オバマ米政権の外交政策で北朝鮮の優先順位は低い。米朝対話は長らく中断しており、これが北朝鮮を4回目の核実験に踏み切らせた要因の一つになっている。硬直した米朝関係を解きほぐすためにも、6力国協議の早期再開で関係国は足並みをそろえるべきだ。

 日本人拉致問題の再調査で北朝鮮と断続的に接触している日本にとっても、今回のダメージは大きい。何もなかったように再調査に対応するわけにはいかないが、制裁を強化すれば再調査への悪影響が懸念される。

 しかし、日本は北朝鮮と接触できるパイプを維持している点を最大限に生かして、核実験に対する国際社会の懸念を直接伝え、非核化こそが賢明な選択であると説得すべきだ。