【1月8日付社説】子どもの体力向上/健やかな成長後押ししよう

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 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故後から続く子どもたちの体力低下に歯止めをかけ、心身の健やかな成長を後押ししたい。

 スポーツ庁が全国の小学5年生と中学2年生を対象に実施した2015年度の「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」(全国体力テスト)の結果が公表された。

 本県の子どもたちは、小5の男子、中2の男女がいずれも全国平均に届かなかった。全国平均を上回ったのは小5の女子だけだ。

 体力テストは、50メートル走の速さや反復横跳びの回数、握力などを点数化し、基礎的な体力や運動能力の現状を明らかにして学校の体育指導などに生かそうという趣旨で実施されている。

 本県の場合、震災と原発事故後に子どもたちの体力の低下が顕著に表れた。放射線への不安や、避難生活によって屋外運動や外遊びが敬遠された影響が指摘される。

 今回のテスト結果は、震災から5年がたとうとしているいまも、依然として子どもたちの基礎体力や運動能力が低い水準にとどまっていることを裏付けるものだ。

 重要なのは、学校現場が子どもたちの実態を正確に把握し、体力向上への取り組みを強化する必要があるということだ。成長期に体力の基礎をつけておくことが、大人になってからの健康リスクを下げることにつながる。

 県教委は本年度から、体育指導の免許を持つ教員OBなどを専門アドバイザーとして小中学校に派遣する事業を始め、体育の授業の充実を図ろうとしている。全国体力テストでは18年度までに、本県の子どもの平均が全国平均を上回ることを目指すという。

 震災から間もなく4年10カ月となり、放射線への不安や避難生活によって子どもたちの屋外運動や外遊びの機会が制限されるような状況は、改善されてきている。

 全国体力テストで本県の子どもたちが取る点数は、低い水準ながらも徐々に上がってはきている。改善の兆しを確かなものにするため、体力向上への取り組みの強化と継続が重要だ。

 運動への関心や意欲を高める必要もある。今回の体力テストと併せて実施された運動習慣に関するアンケートでは「運動が好き」と答えた子どもの割合が、小5と中2の男女ともども全国平均を下回った。学校現場では、子どもたちが運動の楽しさを体感できるような指導も充実させたい。

 体力づくりには、栄養バランスのとれた食事も大切だ。学校や家庭、地域で食育の重要性にもあらためて目を向ける必要がある。