【1月9日付社説】国内線1000万人/「選ばれる空港」へ知恵絞れ

(数字はいいね)  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 福島空港の国内線の利用者が1000万人に達した。この大台突破を空港立て直しの契機にすべきだ。

 同空港は1993年3月、札幌、大阪、名古屋の国内3路線で開業。99年度には国内7路線、国際2路線まで拡大し、利用者は国内、国際両線合わせて年間約75万人に上った。しかし、その後は路線減少や日本航空撤退もあり、いまは大阪、札幌2路線で、利用者は二十数万人にとどまっている。

 県の空港収支をみると、近年は毎年度5億~6億円程度の赤字で、県民の税金で穴埋めしているのが現状だ。道路などと同じ公共インフラと捉えることもできるが、税金を投じる以上は、最大限に活用し、県民に大きな恩恵をもたらすものでなければならない。

 低迷する福島空港利用だが、2014年度の国内線利用者は約24万8000人となり、09年の日本航空撤退後最多となった。大阪線に従来より座席数の多い機材が投入されたためで、ビジネス客だけでなく団体客にも利用が広がった。

 県は3月27日から空港の運用時間を1時間30分拡大し、午前8時~午後9時までとする方針だ。これにより大阪線のダイヤが改善される公算が大きく、利用者は目的地での滞在時間を長くとれることになる。機材大型化やダイヤ改善など、航空会社との連携を強めて使い勝手を向上させ、まずは路線維持と利用促進を図りたい。

 しかし、それだけでは空港の発展は望めない。路線拡大と利用者増が必要だ。空港の利活用と運営については震災後、有識者会議が県に提言をしているが、その後、訪日外国旅行者の急増や、復興の進捗(しんちょく)など状況は変化している。

 国管理空港の仙台空港は今夏、全国で初めて完全民営化され、空港施設を一体経営として「東北のゲートウエー」を目指す。年間300万人を超す利用がある仙台空港と、県管理の福島空港とを直接比較することはできないが、利用者に「選ばれる空港」を目指すに当たっての見本にはなるだろう。

 仙台や新潟など近隣空港は、福島空港のライバルだが、広域ネットワークとして連携を強めることで味方にもできる。福島空港が復興に果たす役割の明確化を含めて空港の在り方を見直し、施策の具体化を図る必要がある。それには大胆な発想と知恵が求められる。

 福島空港は震災直後、「24時間空港」となり、羽田に臨時便が飛ぶなど災害に強い空港として威力を発揮した。首都直下地震が懸念される。国は福島空港を首都圏空港の代替機能を持つ大規模災害対応拠点として位置付けるべきだ。