【1月21日付社説】復興基本方針/進度に合わせ政策の充実を

(数字はいいね)  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から5年がたとうとしている。地域によって異なる復興の進度に応じ、きめ細かな施策を講じていくことが重要だ。

 政府は2011年度から5年間の「集中復興期間」が3月で終了することに伴い改定する、16年度からの「復興基本方針」の骨子案を示した。

 震災からの復興について、政府は11年度から10年間を「復興期間」と定め、そのうち前半5カ年を集中復興期間、後半5カ年を復興・創生期間と位置付ける。

 新方針は、20年度までの復興期間中に、地震や津波被災地では復興を「総仕上げ」し、原発事故からの復興・再生については21年度以降も「国が前面に立って取り組む」と明記した。

 宮城、岩手両県の津波被災地に比べて、原発事故の被災地でもある本県の復興・再生は中長期的な対応が不可欠だ。復興期間後も国が復興の前面に立つのは当然であり、第1原発の廃炉や住民の生活再建は責務だ。

 基本方針の骨子は復興政策の枠組みとなる。集中復興期間は5年を一区切りとして検証する形式を採ったが、新方針は3年をめどに見直すよう改め、関係省庁に対して復興政策の早期実現を促す姿勢を盛り込んだ。

 新方針では、津波被災地と原発被災地での復興速度の違いを反映させることになるが、復興の進度は被災地の中でさらにまだら模様を描くという現実がある。方針を決定するに当たっては、被災者に最も近い市町村の意見に耳を傾け、より実情に即した内容になるよう望みたい。

 新方針には、福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想の推進を盛り込んだ。医療機器や再生可能エネルギー、ロボットなどの新産業を集積する構想で、浜通りの産業再生のためには実現が欠かせない。

 さらに、原発事故で避難区域が設定された12市町村の将来像の実現や、JR常磐線の早期全線開通、農林水産業の再生などは、被災地が広域的、中長期的に発展するために必要なものばかりであり、確実な推進とその裏付けとなる財源の確保を求めたい。

 新方針で政府は、21年度以降も「国が前面に立つ」ことを約束するが、担当官庁である復興庁は設置法で20年度末に廃止することが定められている。復興庁を存続させるのか、それとも代わる組織をつくるのか。21年度以降も切れ目のない復興政策を行うために在り方も含めて検討を進めてほしい。