【1月26日付社説】交通事故7000件切る/力合わせ「ゼロ」を目指そう

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 尊い命が犠牲になる交通事故の減少を確かなものにしたい。

 県警のまとめによると、県内で昨年1年間に起きた人身事故は6894件で前年より816件減り、1966(昭和41)年以来、49年ぶりに7000件を下回った。

 死者数も前年比10人減の77人となり、平成に入ってからは最少になった。ただ、人口10万人当たりの死者数に換算すると本県は3.98人になり、全国平均の3.24人を上回っている。

 依然として多くの人が交通事故で命を落としている事実は重い。

 県内で交通事故で亡くなった人のうち、65歳以上の高齢者が全体の55.8%で半数を超える。全死者数に占めるお年寄りの割合はここ数年50~60%ほどで推移しており、事故件数が減ったからといって、手放しで喜べる状況にはない。

 県内ではますます高齢化が進むことになる。お年寄りの事故を減らす取り組みをより一層強め、悲惨な交通事故の撲滅を目指したい。そのためには、お年寄りが事故に巻き込まれるケースと、事故を起こしてしまうケースの両面で対策を講じる必要がある。

 県警によると、昨年の高齢者の死者数43人のうち19人が歩行中に事故に遭って命を落とした。

 道路の横断中や夜間に車にはねられる事故が目立つという。高齢になるほど自分が思うより道を渡るのに時間がかかったり、近づいてくる車との距離感やスピード感が鈍るとの指摘もある。ハンドルを握る側には、お年寄りを見掛けたら、徐行するなど十分に気を付けて運転することが求められる。

 高齢者が事故を起こすケースとして県警が注意を呼び掛けているのが、アクセルとブレーキの踏み間違いや、高速道など一方通行での逆走などだ。原因としては、判断能力や身体機能の低下に加え、認知症が疑われるケースもあるという。昨年成立した改正道交法では、75歳以上のドライバーへの認知機能検査の強化が定められた。

 運転に不安を感じるようになったお年寄りに対して県警は、運転免許の返納制度を推奨する。制度への理解を広めることも、事故をなくすための一つの方策だろう。

 ただ、それには買い物や通院などで車の利用が欠かせない人たちへの支援策が求められる。地域循環バスや乗り合いタクシー、スーパーの移動販売などでお年寄りを支える仕組みを整えたい。

 交通事故をなくすには、警察や交通関係団体が取り組む交通安全運動の徹底が大切だ。加えて地域が一丸となり、安全なまちづくりを進めることも肝要になる。