【1月27日付社説】五輪ホストタウン/復興発信へより多く登録を

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 2020年東京五輪・パラリンピックに参加する外国人選手らと地域住民の交流を促進する政府の「ホストタウン」構想に、より多くの市町村が登録し、本県の復興を世界に発信したい。

 政府はきのう、ホストタウンとして25都道府県の44件を第1次登録として決定した。このうち県内では、申請していた郡山市と猪苗代町の登録が認められた。郡山市はオランダ、猪苗代町はガーナと提携、交流する。

 政府は今回の登録から漏れた全国の25件を継続審査にする一方、新規の計画も受け付け、11月ごろまでに登録件数を増やす方針だ。

 ホストタウンは、自治体が特定の国・地域と提携して、五輪選手らを交えてスポーツや文化面で交流し、相互理解を深めることが目的だ。大会前に限らず、その後の地域活性化や観光振興への波及効果も期待される。

 原発事故の風評に悩む本県にとって五輪は、復興の状況を正確に伝え、知ってもらう絶好の機会となる。東京五輪を真の「復興五輪」にするためにもホストタウン構想を活用したい。

 ホストタウンは、1998年の長野冬季五輪で、地元の小中学校が参加国・地域を学校ごとに応援した「一校一国運動」をモデルにしている。

 この運動では対象国を決め、言葉や文化の学習、選手や関係者を招いての交流などを行った。長野市ではいまも対象国との交流を続けている学校が数多くあるほか、その後の海外での五輪でも同様の試みが引き継がれている。

 県内では、21の市町村が各競技の事前キャンプの誘致に名乗りを上げている。誘致の実現に向けた取り組みの一つとしてもホストタウンの登録を目指したい。

 登録が決まった郡山市はオランダのブルメン市と姉妹都市で今回の協力につながった。同国の関係者を招いた講演会や出前講座、物産展など互いに理解を深めるための取り組みを想定している。事前合宿の誘致も進めていく考えだ。

 猪苗代町と提携するガーナは、同町出身で黄熱病の研究に尽力した細菌学者の野口英世が最期を迎えた地として知られる。歴史的な縁から、これまで交流を深めてきた経緯がある。

 同国に対して事前合宿の要請を行っており、同国駐日公使は積極的な姿勢を示している。また、選手らと町の子どもたちの交流事業を計画している。

 両市町にはホストタウンの第1走者として、県内自治体を先導してもらいたい。