【1月28日付社説】給食で集団食中毒/検証と再発防止を徹底せよ

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 5カ月も前に消費期限が切れていた食材が、こともあろうに小中学校の給食に使われた。

 しかも、それを食べた子どもたちが集団食中毒にかかったことが、県の調査で発覚した。

 廃棄された冷凍カツが不正に横流しされていた事件が世間を騒がせているさなか、県内でも食のモラルが問われる事態が起きたことは、遺憾と言わざるを得ない。

 食中毒が起きたのは下郷町の小、中学各1校。今月21日、給食を食べた後で児童、生徒と教員の計87人もが、かゆみや発疹などの症状を訴えた。

 幸い全員が、重い健康被害には至らなかったが、子どもたちの安全が何よりも求められる学校給食での食中毒は重大な事態だ。

 県の調べでは、食材の魚のすり身からアレルギーを引き起こす「ヒスタミン」という化学物質が検出された。鮮度の落ちた魚に蓄積されるのが特徴で、県はすり身を食中毒の原因と断定した。

 県によると、問題のすり身は会津若松市の卸売業者が出荷した。この業者が仕入れたのは昨年8月。その段階で消費期限は同29日までだったが、担当の従業員が期限前日に表示ラベルをはがして冷凍保存していた。

 業者は今月になって下郷町の食品販売業者に出荷し、給食当日に同町の学校給食共同調理場に納品されたという。

 県が調べた経緯を振り返ってみて、疑義が生じるのが、なぜ消費期限切れの食材が出荷されたのかだ。表示ラベルをはがした行為にも不信感が募る。

 会津若松市の卸売業者は県に対し「冷凍すれば消費期限は延びると、従業員が誤って認識していた」と説明している。本紙の取材には「従業員はもったいないと思ったようだ」と答えている。

 県には徹底した調査と結果の公表を求めたい。県は今回の問題を受け、ほかの卸売業者や市場への立ち入り検査に乗り出した。

 同様のケースがほかにないか、ずさんな食品管理がないかをしっかりと確認する必要がある。

 今回のケースで重く受け止めなければならないのが、表示ラベルもなく、適正に管理されていたのか疑われる食材が、学校の子どもたちの口に入るまで、素通りしてしまったことだ。

 下郷町教委は検品態勢を強化するとしている。詳細な検証も必要だ。県教委は県内の市町村教委に注意喚起を通知した。行政、教育委員会をはじめ給食に携わる関係機関、業界が一丸となって再発防止に努めなければならない。