【1月29日付社説】甘利氏閣僚辞任/これで一件落着とはいかぬ 

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 何度同じようなことが繰り返されれば済むのだろうか。いい加減にしてもらいたい。

 甘利明経済再生担当相が28日夕、週刊文春が報じた自らの金銭授受疑惑について記者会見し、千葉県の建設会社側から封筒入りの現金計100万円を2回に分けて受け取ったことを認めた上で、閣僚を辞任すると表明した。

 第2次安倍内閣以降の3年余での閣僚辞任は、2014年10月の小渕優子経済産業相、松島みどり法相、15年2月の西川公也農相に続いて4人目となる。1年に1人以上、不祥事で閣僚が辞任に追い込まれていることになる。

 甘利氏にとどまらないが閣僚辞任で一件落着、リセットでは国民の理解はとても得られない。甘利氏が一刻も早く全容を説明するとともに、辞任した閣僚の任命責任を持つ安倍晋三首相が、内閣全体としても「政治とカネ」の問題についてどう対処していくのか方針を示すベきだろう。

 週刊文春は、建設会社側から都市再生機構とのトラブル解決の謝礼などとして甘利氏が現金計100万円を直接受け取ったと報道。秘書を含め甘利氏側への現金や接待などは証拠が残っているものだけで1200万円としている。

 記者会見で甘利氏は、自らが受け取った現金計100万円について「政治資金として処理するよう秘書に指示した」と話した。また13年に秘書が建設会社側から500万円を受け取り、300万円は秘書が自ら使ったと説明。この300万円は政治資金収支報告書に記載がないことを認め「適切にするように指示した」と明らかにした。秘書が建設会社側から多数回の接待を受けたことも認めた。

 今後、これらの事実が、収支の正確な記載を求めた政治資金規正法や、国会議員や地方議員、公設秘書らが国や地方自治体の売買契約や行政処分に影響力を行使して財産上の利益を受けることを禁じる、あっせん利得処罰法に違反しているか否かが焦点となる。

 そもそも、安倍内閣は不祥事による閣僚辞任があるたびに「二度と同様の事態を招かない」と誓ってきた。であれば、小渕、松島、西川各氏の問題が発覚した後、甘利氏は自身に関わる政治資金を洗い直す必要があった。「今回の報道で知って驚いている」というのは無責任だろう。

 甘利氏はまた、建設会社社長や総務担当者に、依頼した案件とは別の意図があるかのような釈明をしたが、自らを被害者として演出するような意図があるとすれば本末転倒ではないか。