【2月7日付社説】給食と県産食材/「安心」確保し活用進めよう

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 学校給食で「地産地消」が進めば、県内の農林水産業の復興に弾みがつく。県産食材の積極活用への流れを確かなものにしたい。

 県内での学校給食における本年度の県産食材の活用率は27.3%となり、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故前の水準の8割弱にまで回復したことが県教委の調査で分かった。 県教委によると、給食での県産食材活用率は、震災前は35%前後で推移し、全国でも比較的高い水準だった。しかし、12年度は原発事故による放射性物質の影響や懸念から18.と半減した。

 その後、13年度19.1%、14年度21.9%と徐々に回復し、本年度は、前年度からの上昇幅が5.4ポイントと、震災以降最も大きくなり、回復傾向がより鮮明になった。

 県教委や各市町村は震災後、給食に使用する食材の放射性物質検査を徹底して行ってきた。市場に流通している県産農林水産物は、検査などによって基準が守られているものばかりだが、学校給食に使用する際は、調理の前後にも検査を行い、さらなる安全確保に努めている。

 給食に県産食材が使用される機会が増えたことについて県教委は、検査などの取り組みに対する保護者の理解が進み、安心感が広がったためとみている。

 県教委は、県産食材の活用を20年度には40%以上にする目標を掲げている。まずは震災前の水準まで一日も早く回復させ、目標達成を目指してもらいたい。

 そのためには、「安心の見える化」を一層進める必要がある。各市町村教委や学校には、保護者を対象にした給食試食会や、検査の見学会などを通し、給食の安全性を分かりやすく伝える機会を増やすよう求めたい。

 児童生徒たちにとって、身近なところで生産された農林水産物を使った給食を取ることは、食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身に付ける「食育」のまさに生きた教材となるに違いない。

 文部科学省の「スーパー食育スクール」に指定されている新地町の小中学校では、地元食材を使った給食のアイデアを児童生徒から募り、給食で提供するという取り組みが行われている。同町教委の担当者は「地元食材の魅力を再発見する機会になっている」と成果を話す。

 県産食材の学校給食での活用促進と、県産農林水産物への安心感の高まりは一体といえる。徹底した検査を引き続き行って信頼と実績を積み上げ、安全で栄養豊かなおいしい学校給食を提供したい。