【2月9日付社説】北ミサイル発射/実効性ある制裁で歯止めを

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 国際社会に対して挑発を続ける先に何があると考えているのか。「我田引水」の論理で突き進んでも得られるものは何もないことを認識するべきだ。

 北朝鮮が「地球観測衛星」打ち上げと称して事実上の長距離弾道ミサイル発射を強行した。1月の核実験で追加制裁決議案が国連安全保障理事会で議論されているさなかの発射は、国際秩序を揺るがす暴挙としか言いようがない。

 核実験とミサイル発射を続ける北朝鮮には、5月に予定されている36年ぶりの朝鮮労働党大会に向けて、金正恩第1書記の業績を誇示し、権威を高めようとする狙いがある。国際社会全体を敵に回すような挑発的な行為によって対外的に孤立を深めることは明白だ。

 国連安保理は、実効性のある強力な制裁を早急にまとめ、軍事的脅威を増大させながら体制存続を図ろうとする北朝鮮の暴走にブレーキをかけなければならない。

 これまで国連安保理は北朝鮮に対する経済制裁を繰り返し強化してきた。しかし今回も核実験とミサイル発射を食い止めることができなかった。暴挙を許してしまったのは制裁包囲網が想定通りに機能していなかった結果でもある。

 抜け道がどこにあったのかを突き止め、各国が制裁を忠実に履行しているかどうか厳密に検証することが必要だ。制裁強化が、掛け声にすぎないと北朝鮮は見切っているからこそ挑発を続けるのだ。

 とくに米国と中国の役割が重要だ。北朝鮮が核とミサイルの開発を加速させているのは米国の軍事力に対する抑止力確保が目的だ。

 米国はこうした北朝鮮の狙いを知りながら圧力強化を中国に求めるだけで、北朝鮮と直接関わることを避け続けている。これでは深刻化する北朝鮮の軍事的脅威を放置しているのと同じだ。少なくとも、核やミサイルの開発凍結に向けて糸口を模索する外交努力を検討するべき時ではないか。

 一方、経済面で北朝鮮の命運を握る中国が、制裁強化に慎重姿勢を崩していないのも問題だ。北朝鮮に対し、言葉だけで怒りを表明するのではなく、実際の行動で北朝鮮に警告を与える姿勢を示すことこそが求められる。制裁の抜け道として指摘されるのが中朝貿易の不透明な実態だ。

 米中は北朝鮮問題での当事者としての責任と役割を認識し、危機管理に乗り出す必要がある。北朝鮮は米中の対応に溝があることを熟知している。核とミサイルで危険な地政学的ゲームを展開しようとする北朝鮮の戦略をこれ以上、放置してはならない。