【2月10日付社説】津波被災地の復旧/着実に事業進め早期完了を

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 東日本大震災の津波被災地で、県の復旧・復興事業の完了時期がようやく見通せるようになった。復興のまちづくりや住民帰還の弾みにしたい。

 県は沿岸9市町の河川や道路、港湾など県が管理する公共土木施設の復旧・復興事業が2020(平成32)年度までに完了するとの工程表をまとめた。

 県は避難区域の道路については復旧の工程を示してきたが、公共土木全体の復旧・復興完了見通しを明らかにしたのは初めてだ。

 政府が「復興・創生期間」と位置付ける16年度以降の国の予算措置が不透明だったこともあり、復旧・復興事業全体の完了時期を見通せなかったという。

 政府は1月になって、16年度以降の復興基本方針の骨子案を示し、この中で復旧・復興事業の規模や財源の管理方針が示された。

 これを受け県は、事業ごとの工期や発注時期、用地の確保などを精査した結果、全ての事業で完了の見通しが付いたという。

 住民には震災から5年がたとうとしているのに、なぜ今ごろになるのかとの思いもあろう。

 県は、「復興・創生期間」の最終年度となる20年度までの復興の道筋を、着実に刻んでいくことが重要だ。

 20年夏に開かれる東京五輪を「復興五輪」と位置付けるのであれば、可能な限り完了時期の前倒しを目指してもらいたい。

 工程表では河川や海岸の堤防、港湾や漁港、道路や防災緑地の復旧、新設工事など事業箇所ごとに完了見通しを明記した。

 河川や海岸の堤防整備では、かさ上げ工事などが計画されている。防災緑地なども災害に強いまちづくりの土台となる施設として確実に整備したい。

 工程通りに事業を進めるために求められるのは、やはり予算の確保になる。国の予算は年度ごとの措置になる。県は丹念に事業の進み具合を検証し、必要な予算の確保に努めるべきだ。

 残念なのは、工程表には原発事故に伴う帰還困難区域が含まれていない点だ。災害査定ができない被災箇所があるからだ。

 国の除染が着手できていない地域もある。ただ、県は帰還困難区域を通る道路については、災害査定を終えた44カ所の復旧を17年度中に終えるとしている。

 避難区域では、避難指示の解除を見越して復興拠点の整備が計画されている。復興拠点をつなぐ道路の復旧は避難区域の復興の糸口だ。帰還に向けて必要な道路の復旧を着実に進めることが重要だ。