【2月18日付社説】火山警戒地域指定/万一に備え手だてを尽くせ

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 火山が噴火した際に住民や登山者への被害を防ぐための総合的な対策が必要とされる地域指定だ。県と市町村、関係機関が連携し、噴火への警戒と、万が一の際の避難体制を整えたい。

 首相が指定する「火山災害警戒地域」に、県内から13市町村と県が指定されることが決まった。

 昨年12月に施行された改正活動火山対策特別措置法(活火山法)に基づく初の地域指定になる。今月下旬に正式手続きが取られる。

 2014年9月に多数の死傷者が出た御嶽山(おんたけさん)の噴火を受けた政府の火山対策強化の一環だ。警戒地域は噴火の可能性が高く、人的災害を防止するために警戒避難体制を特に整備すべき地域とされる。

 気象庁が24時間体制で監視・観測している全国の常時観測火山のうちの49火山周辺の140市町村23都道県が対象となり、県内で指定される13市町村は、吾妻山、安達太良山、磐梯山と栃木県にまたがる那須岳周辺の自治体だ。

 指定されると、対象の自治体に警察や自衛隊、火山の専門家など関係機関を加えた火山防災協議会の設置が義務付けられる。

 協議会では、噴火に伴う現象や影響の推移を整理した噴火シナリオやハザードマップ(危険予測地図)を作成し、5段階の噴火警戒レベルに応じた入山規制の範囲や避難方法を検討する。

 県内では吾妻山、安達太良山、磐梯山の3火山の周辺自治体や関係機関が一体となった火山防災協議会が設置されているが、今回の地域指定で求められるのが火山ごとに協議会を設置する点だ。

 火山によっては地形や季節の違いによって噴石や火砕流を伴う噴火もあれば、融雪型の泥流が引き起こされる噴火もあることを想定しなければならない。

 火山ごとに特性を考慮し、防災対策や警戒避難体制を立案しておく方が、より現実的といえる。

 県内では、避難計画やハザードマップを作成している自治体もあるが、住民の避難に加え、登山客や観光客の避難誘導の方法も日ごろから計画しておく必要がある。

 火口近くで登山客が被害に遭った御嶽山の噴火の教訓を踏まえれば、登山や観光に訪れる人を含めた人的被害の防止に力を入れるのは当然のことだ。

 御嶽山の噴火では、噴火の兆候となる火山現象の情報伝達の重要性も再認識させられた。正確で迅速な情報伝達は、風評対策にもつながるはずだ。

 警戒地域ごとに関係機関が緊密な連携を取り、効果的な警戒避難体制を構築するよう求めたい。