【2月21日付社説】Jヴィレッジ/早期の再開を復興の弾みに

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 楢葉町と広野町にまたがるサッカートレーニング施設「Jヴィレッジ」の「復活」が早まる見通しになった。東京電力福島第1原発事故で痛手を負った地域の復興に弾みをつけたい。

 県がJヴィレッジ再整備事業の設計・施工を検討した結果、2018(平成30)年7月には、施設全体の7割程度が使用可能になり運用を再開できるという。

 当初予定していた19年4月の再開よりも9カ月前倒しになる。国際レベルの大会や合宿誘致に向けいまから「新生Jヴィレッジ」を国内外に発信したい。

 再整備事業では、天然芝と人工芝のピッチ(グラウンド)やスタジアム、フィットネス棟など既存施設の原状回復工事を進めるほか、日本初となる全天候型のサッカー練習場、新宿泊棟を建設する。

 このうち18年7月にはピッチ6面が復旧し新宿泊棟が完成する見込みだ。ピッチや施設はラグビーでも使えるため、県などは19年9月に行われるラグビーワールドカップ(W杯)日本大会の事前合宿誘致に名乗りを上げる考えだ。

 ラグビーW杯では、大会の1年前には海外代表チームが合宿地を選ぶという。昨年のW杯では日本チームが快進撃をみせ、国内のラグビー熱が高まっている。合宿地選定時期のJヴィレッジ再開を誘致活動の追い風にしたい。

 「復興五輪」と位置付けられる20年の東京五輪を見据えたJヴィレッジ復活の道筋を確かなものにすることも必要だ。

 日本サッカー協会は、東京五輪のサッカー男女日本代表の事前合宿をJヴィレッジで行うことを正式に発表した。

 かつてのJヴィレッジでは日本代表をはじめ、02年のサッカーW杯日韓大会ではアルゼンチン代表が合宿を行った。

 サッカーナショナルトレーニングセンターとして開設された原発事故前の姿が戻ることを期待したい。大勢のファンが詰め掛ける交流拠点としての機能を、いち早く整えることが求められよう。

 新生Jヴィレッジは、雇用や経済波及効果を生む地域振興や、スポーツを通した人材育成機能を取り戻すことも大きな役割になる。

 Jヴィレッジは原発事故直後から事故収束の最前線になり、廃炉作業の拠点になった。

 緑に覆われていたピッチは一時、見る影もなくなったが、ようやく再整備に見通しが立ち復活への歩みを刻む。その姿を国内外に発信することは、本県への理解を広げ、風評の払拭(ふっしょく)にもつながるはずだ。県民の励みにもなる。