【2月23日付社説】復興PR行事中止/情報発信力の強化に総力を

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 本県に対する理解を広げるためには、復興状況や県産品の安全性について、正しい情報を粘り強く発信し続けなければならない。

 東日本大震災からの復興や東北の魅力をPRするため、日本の外務省がソウルで予定していたイベントが開催当日に中止となった。

 外務省は「ソウル市城東区が開催許可を出さなかったため」としている。日本政府筋によると韓国政府は区に開催を認めるよう働き掛けていたというが、極めて残念なことだと言わざるを得ない。

 イベントは本県などが参加し、舞台やブースで名産品などの紹介を予定していた。

 イベントに関しては、韓国の市民団体が東京電力福島第1原発事故を理由に食品の安全性に問題があるとして抗議する動きを見せていた。区が市民団体に配慮したものとみられている。

 県産の農林水産物をはじめ日本の食品は徹底した検査が行われ、安全な食品しか市場に流通していない。安全性に対する懸念は不要であり事実をまず確認すべきだ。

 本県は海外での風評払拭(ふっしょく)を目指し、内堀雅雄知事らによる外国訪問や農林水産、観光など各分野での情報発信を通して理解を求めてきた。しかし、今回のイベント中止は浸透が不十分であることを示す。海外への情報発信は県レベルでは難しいものもある。国と連携し、情報発信を強化するべきだ。

 日本政策投資銀行が昨年、アジア8地域の海外旅行経験者を対象に行った「インバウンド意向調査」では、日本旅行に対する不安材料として、「放射能の安全に関する情報が分からない」を選択した割合は、香港、台湾、中国がいずれも2割台なのに対して、韓国は5割弱と突出している。

 韓国は現在も本県はじめ青森、岩手、宮城、茨城、栃木、群馬、千葉8県の全水産物の輸入を禁止している。隣国である韓国で安全性への理解が進んでいない状況をあらためて認識し、効果的な対策を講じていかなければならない。
 昨年夏、福島市のNPO法人が日韓国交正常化50周年に合わせて韓国の青少年約170人を招いた際も韓国では同事業の中止を求める抗議活動があった。

 本県への逆風を示す一例だが、事業は予定通りに行われ、福島市での歓迎会では、来県した若者らが福島特産のモモなどに舌鼓を打ち県内の大学生らと交流した。

 風評の払拭に向けて、本県に対する理解をより深めてもらうためには、行政、民間を問わず総力を結集し、海外の国や人々と双方向の関係を築いていくことが重要だ。