【2月24日付社説】女子高生自殺/いじめへの気づきがあれば

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 生徒の変調に学校全体で危機意識を持っていれば、自殺を防げたのではないか。

 会津地方の県立高校の校内で昨年9月、2年生の女子生徒が自殺した問題の調査結果をみると、そう思えてならない。

 いじめはあったが、いじめと自殺に直接の因果関係を認定するまでには至らない―。

 調査に当たった第三者委員会の報告を受け、県教委が公表した調査結果の概要だ。県教委はなぜ、こう結論づけたのか。調査報告が明かした女子生徒の自殺をめぐる経緯を振り返ってみる。

 女子生徒は一昨年夏ごろから同じ部活動の先輩から厳しく叱責(しっせき)されたり、無視や冷淡な態度を受けるようになった。女子生徒は「先輩が怖い」「部活に行こうとすると気持ち悪くなる」と漏らし同年9月ごろから欠席が多くなった。

 調査報告は、先輩の行為は「心理的な影響を与える行為」で、女子生徒にすれば「心身の苦痛を感じているもの」として「いじめ」に当たると判断した。その後、女子生徒は昨年6月に部活を休部し8月には復帰したが、9月になって再び部活を休むようになった。

 報告では、部活以外での人間関係、学業への悩みがあったと推察し、自殺の要因を「いじめによる悩みだけではない」とした。

 全校生徒、教職員へのアンケートや聞き取り調査で、女子生徒を精神的に追い詰めた最大の要因を絞り込む難しさはあるだろう。

 ただ経緯で分かるのは、女子生徒が精神的な悩みを抱えている兆候が段階的に見て取れることだ。

 学校の欠席が目立つようになったとき、再び部活を休むようになったとき、その時々に学校側が適切な対応ができなかったのかと悔やまれる。

 学校や県教委が重く受け止めなければならないのは、学校側が問題を把握するのに時間がかかった点だ。学校側の女子生徒への対応は、いじめを受けてから半年もたった昨年5月からだ。

 担任の面談に女子生徒は「厳しい指導と思っている」などと答え、学校側は「いじめという認識はなく生徒間のトラブルと思っていた」(校長)という。

 教員に女子生徒の様子がおかしいとの思いがあったとしても、それを学校全体で共有できなければ、組織として対応できない。

 県教委と学校は組織的な連携を強め、悲劇を二度と繰り返してはならない。そのためには生徒が抱える悩みやいじめへの気づきに敏感になる必要がある。そして生きる力を育む指導も充実させたい。