【2月28日付社説】大学生の就職/若者の活躍が復興を進める

(数字はいいね)  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 本県の復興を前進させる原動力となるのは、若い世代の活躍だ。

 県は、県内外の大学などと、県内企業への就職を支援するための協定を結んだ。若者に県内で働く魅力を広く発信して人材流出を食い止め、地方創生につなげたい。

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故後、国や県の補助金を活用し、県内に工場を新増設する企業が増えている。特に再生可能エネルギーやロボット開発、医療機器など復興関連産業が目立ち、雇用が生み出されている。一方で、進学や就職で県内を離れる若者も依然として多く、人材の確保が課題となっている。

 特に、県外に進学した大学生が地元に戻って就職する割合は2割程度にとどまっているのが現状だ。県内出身者のUターンや、県外出身学生を招き入れるIターンが重要さを増している。

 県が協定を結んだ県外の大学は、日本、東洋、大妻女子、城西、千葉商科、神奈川、実践女子の首都圏7校。県は学生に企業や就職関連イベントの情報提供、本県への就職に関心のある学生の把握、支援などを行う。最先端の企業が増えていることや、優れた生活環境など、本県で働く魅力を学生たちに強くアピールしたい。

 県はまた、福島大と東日本国際大、桜の聖母短大、福島高専の県内4校とも協定を結んだ。文部科学省の「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業」の一環で、各校と県は、産業界と連携して復興や再生エネ、廃炉技術など本県ニーズに対応した人材育成を進める。県内で働く卒業生も後輩の相談に乗るなど支援に当たる。

 4校の卒業生の県内定着率は2014年度で45.4%にとどまっており、協定では定着率を19年度までに約10ポイント引き上げることを目標に掲げる。人材の地域循環の仕組みを確立し、学生と企業の良好な出合いが増えるよう望みたい。

 県内には、復興関連産業や大企業以外にも、世界水準の技術を備えたり、独自商品を持つ優れた中小企業も多い。このような企業の情報提供を強化し、学生に関心を持ってもらうことが大切だ。

 さらに県は新年度から、株式上場を目指す企業に手続き経費の補助を行う。上場で企業のブランド力が高まれば、人材確保が有利になることが期待できる。上場に挑戦しようという企業の掘り起こしと、幅広い支援が欠かせない。

 来春卒業予定の大学生らを対象にした会社説明会は3月から始まり、就職活動が本格化する。県は商工関係団体などとも連携し、優秀な人材確保に努めてほしい。