【3月3日付社説】震災5年 インフラ整備/「復旧」は「復興」の出発点だ

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 東日本大震災と原発事故から5年。道路や鉄道、港湾など産業や社会生活の基盤となる施設(インフラ)の復旧が進んでいる。

 しかし、本県が真の復興を遂げるためには、インフラを震災前の状態に戻すだけでなく、新しいまちづくりや産業再生に役立てていくという視点を持ちたい。

 鉄道は大勢の人が頼りにする大切な足だ。浜通りを南北に貫く大動脈、JR常磐線も例外ではないが、津波による被災や高い放射線量の影響などで寸断された。

 同線は現在も竜田(楢葉町)―原ノ町(南相馬市)間約46キロと、相馬―浜吉田(宮城県亘理町)間約23キロが不通だ。放射線量が高い富岡―浪江間約21キロを除き、今春から来年中にかけて徐々に再開区間が増えていく。富岡―浪江間も2020年春までに再開方向で、東京五輪前の全線開通が実現しそうだ。

 日常の足である鉄道の運転再開は避難している住民の帰還の判断材料になる。できるだけ開通を前倒ししてほしい。また、駅を移設するところは、駅という機能だけでなく、まちの新しいシンボルとして復興に生かしてもらいたい。

 浜通りのもう一つの大動脈、常磐道は昨年春、全線が開通した。除染や廃炉作業など復旧関係での利用はもちろんだが、ロボットや医療機器など成長産業の育成を目指す「福島・国際研究産業都市構想」を実現していくためには周辺道路の整備充実も不可欠だ。

 常磐道の全線開通によって、首都圏と仙台圏との間は東北道と併せて「複線」化された。既に東北道の渋滞緩和などに効果が表れている。両高速道路を有効に活用して、本県の観光再生に勢いをつけたい。そのためにいわき中央以北の4車線化も促進したい。

 国が復興支援道路と位置付けた国道115号バイパス「相馬福島道路」を含む東北中央道や、避難市町村と中通りを結ぶ主要8路線を指す「ふくしま復興再生道路」も広域的な物流、産業再生、地域医療を支える基幹路線として整備を急がなければならない。

 震災で、72ある公共岸壁のうち66が被害に遭ったいわき市の小名浜港。既に物流機能を回復している主要34岸壁を含めて、全ての岸壁が間もなく復旧する。東港地区での国際物流ターミナル整備も急ピッチで進んでいる。

 同じ重要港湾である相馬港も全13岸壁の復旧が完了、県が管理する10漁港も富岡と請戸を除いて一部使用可能な状態になっている。

 復旧が済んだインフラを、今後の復興と発展にどう生かしていくか。次の課題が待っている。