【3月22日付社説】公選法の改正/投票しやすい態勢づくりを

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 国政、地方選挙における投票の機会を拡大するための公選法改正案が国会に提出されている。今夏の参院選から実施できるよう、今国会で成立させたい。

 選挙権年齢の「18歳以上」への引き下げが決まっており、県内で約3万8000人、全国では約240万人が有権者に加わる。投票に行きやすくなるような態勢を整えて投票率アップにつなげたい。

 改正案のポイントは三つある。一つ目は、従来の投票所のほか、その市町村に居住する有権者であれば誰でも投票することができる「共通投票所」の設置だ。大型のショッピングセンターや駅、大学などが想定されている。

 二つ目は、「期日前投票」の時間延長。現在は午前8時半から午後8時の間だが、2時間以内での繰り上げと繰り下げを認める。最長で午前6時半から午後10時までの投票が可能になる。

 三つ目が、投票所に親と一緒に入ることができる「子ども」の対象緩和だ。これまでは「幼児」や「やむを得ない事情のある者」に限られていたが、「18歳未満の者」に拡大する。子どもたちに投票の仕組みを知ってもらう機会を増やすのが狙いだ。

 選挙の投票率はその時々の争点や政治情勢に左右される。ただ最近は全体的に低下傾向にあり、本県をみても2014年12月の衆院選の小選挙区は52.51%と戦後最低、13年の前回参院選の選挙区は54.52%と2番目の低さだった。

 投票は議会制民主主義の根幹だ。投票率が低ければ、選ばれた議員や政権の正統性に疑問符が付くことにもなりかねない。現状を厳しく受け止め、策を尽くす必要がある。

 実際の運用は市町村に任される。共通投票所については二重投票を防止するために、各投票所をオンラインで結び情報を共有する必要があるなど課題も多い。

 職員の確保や財政面で市町村の重荷になるとの指摘もある。国は市町村に委託する事務経費を増額する方針だが、市町村が前向きに取り組むことができるよう予算を確保するなど後押ししてほしい。

 18歳選挙権に関しては、新たに有権者となる若者が選挙直前に進学や就職で転居した場合、投票ができなくなる「空白期間」が生じるおそれがあった。これは転居前の住所地で投票できるように1月に法改正された。

 選挙権を得た初めての選挙で投票に行けば「投票は当たり前」と考えるようになるという分析もある。新しい仕組みの周知にも力を入れ、その機運を醸成したい。